抄録
インプラント補綴は支台の周囲組織の形態や支台の配置といった従来の補綴では不可侵だった領域に関与している.また,コンピュータテクノロジーの進歩はバーチャル空間での診療設計とその口腔内リアリティ空間での実現を可能にした.したがってインプラント上部構造を設計するにあたって補綴医は従来と全く異なるスタンスをとることとなった.またそれに伴って,従来的な意味での補綴医の担当領域は少なからず縮小している.
この小論では審美領域におけるインプラントに関与する補綴医のスタンスを,個々のインプラント,口元,顔貌という三つの対象領域に焦点を当てて解説し,そこから導かれる指針の紹介を試みる.