日本補綴歯科学会誌
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専門医症例報告
3|喪失後に義歯を用いて咬合挙上した症例
中村 恵子
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ジャーナル オープンアクセス

2012 年 4 巻 3 号 p. 328-331

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抄録

症例の概要:患者は52歳女性.3|抜歯に伴う審美障害および咀嚼障害を主訴に当科を受診した.下顎臼歯部欠損の長期放置により咬合高径が低下し,咬合支持である上顎犬歯の過重負担により歯根破折が生じたと考えられ,咬合挙上義歯とテンポラリークラウン・ブリッジにより咬合再構成を行った.
考察:咬合支持がない低位咬合症例に対して,義歯とテンポラリークラウン・ブリッジを用いて咬合挙上し咬合再構成を行ったが,残存歯が少なく予後が不安であるため,定期的なリコールが必要であると思われる.
結論:咬合支持がほとんどない低位咬合症例に対しては,積極的な咬合挙上,咬合再構成を行い咬合崩壊を止める必要があると考えられる.

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© 2012 社団法人日本補綴歯科学会
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