抄録
症例の概要:患者は57歳の女性.上顎左側第一小臼歯の動揺による咀嚼困難を主訴として来院した.重度の歯周病と診断し,スケーリング,ルートプレーニングに加え,下顎部分床義歯装着による咬合支持の確立,咬合平面の修正を行い,その後,メインテナンスに移行した.
考察:補綴処置終了後も2,3カ月間隔の継続的な義歯の調整と口腔管理が実施されたことにより,現在まで大きな変化なく経過している.
結論:重度の歯周病患者に対して,適切な部分床義歯を装着し,定期的なメインテナンスを行ったことにより,残存歯の安定した経過を得ることができた.