日本補綴歯科学会誌
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◆特集:摂食・嚥下障害患者への対応
摂食・嚥下障害への対応
―摂食・嚥下障害の評価と訓練―
戸原 玄阿部 仁子中山 渕利植田 耕一郎
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2013 年 5 巻 3 号 p. 265-271

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抄録
日本では要介護高齢者が増加しているため,誤嚥性肺炎の予防が重要である.誤嚥性肺炎は摂食・嚥下障害により引き起こされるため,患者の食べる機能を正しく評価した対応が重要である.訪問診療で利用可能な評価法にはスクリーニングテストと嚥下内視鏡検査があり,嚥下内視鏡検査は近年小型化が図られている.咀嚼中には食塊が咽頭に送り込まれるため相対的に嚥下反射が遅延するが,症例によっては噛み方を工夫することで嚥下反射遅延を防ぐことができる可能性がある.歯科的な対応のうち特殊な補綴物には舌接触補助床および軟口蓋挙上装置がある.また,新しい訓練方法として開口訓練により舌骨上筋群を鍛えて嚥下機能を改善する方法がある.
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© 2013 社団法人日本補綴歯科学会
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