抄録
歯科衛生士の業務に関する法の規定と教育の現状を踏まえた上で,今後の歯科衛生士の養成や業務のあり方について概説した.教育・研究等に従事する資質の高い歯科衛生士を養成確保するためには,例えば看護教育の経緯を参考に大学や大学院の整備を図ることが考えられる.また,介護保険施設等で円滑に歯科衛生士業務を行うためには,専門性が認定された歯科衛生士など一定の要件を満たす歯科衛生士を活用することが必要であると考えられる.歯科保健医療のさらなる活性化を図る観点から,これらの課題について国や歯科医療関係者等の間で積極的に検討が進められることを望みたい.