2015 年 7 巻 2 号 p. 185-188
症例の概要:58歳男性.多数歯の齲蝕による咀嚼困難および審美不良を主訴に来院した.初診時,齲蝕および臼歯部の欠損により著しい咬合高径の低下が認められたために,治療用義歯を用いて咬合挙上を行い,得られた咬合高径にて,歯冠修復物および部分床義歯による補綴処置を行った.
考察:最終補綴物装着後3年10カ月経過している.治療用義歯を用いて咀嚼機能,審美性の回復および適正な咬合高径を獲得したことで,最終補綴へとスムーズに移行することが出来た.
結論:齲蝕および臼歯部欠損により生じた低位咬合に対し,歯冠修復と部分床義歯により咬合再構成を行い,良好な結果を得た.