日本補綴歯科学会誌
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専門医症例報告
長期的に対応可能な支台装置を用いた欠損補綴症例
安藤 貴則
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2015 年 7 巻 4 号 p. 380-383

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抄録

症例の概要:患者は79歳の男性で,上下顎義歯が安定せず,咀嚼困難を主訴に来院した.義歯の適合および咬合不良の他,残存歯に動揺を認めた.歯周基本治療後,上顎にはCrown and Sleeve-Copingを用いたオーバーデンチャーを,下顎には部分床義歯を製作した.
考察:動揺を認める残存歯の歯冠歯根比を改善することで,歯根と支持組織が保護され,良好な咬合関係が回復された結果,義歯の維持・安定が得られたと考えられる.
結論:歯周疾患を伴う少数歯残存症例に対し,Crown and Sleeve-Copingを用いた義歯を適応することで,残存歯の保存ならびに患者の高齢化による全身状態や口腔内の変化に対して,長期的に対応可能な治療を行うことができた.

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© 2015 社団法人日本補綴歯科学会
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