抄録
症例の概要:62歳,女性.2008年6月,上顎前歯部の動揺による咀嚼困難を主訴に本学補綴科に来科.保存困難な歯を抜歯し,即時義歯を装着した.その後,機能的運動路(FGP)の記録により機能的咬合面形態を付与した金属リテーナー義歯を装着した.
考察:金属リテーナー義歯は高い剛性を有しており,咀嚼時のたわみを抑制できることから残存歯の保護に有効である.また,機能的咬合面形態の付与により義歯調整回数も減少し,咬合の長期安定に寄与したと考えられた.
結論:重度歯周炎に罹患した残存歯を支台歯とした金属リテーナー義歯を装着したところ,支台歯の保存に有効であった.