抄録
睡眠時ブラキシズム(Sleep Bruxism; SB)の為害作用は多岐にわたり,補綴臨床においても,ブラキシズム関連と考えられるトラブルには枚挙にいとまがない.従って,補綴歯科治療を行う上でSBの正確な診断と診断に対応した合理的な対応が必要となる.一般の歯科臨床では厳密なSB測定が現実的でないため,チェアサイドにおいて臨床徴候を指標としてSBの診断が行われる.また,SBへの合理的対応を行うためには,診断プロセスの中にリスク因子の評価が組み込まれる必要がある.本稿ではチェアサイドでの臨床診断の現状と今後の展開について私見を交えて概説する.