日本補綴歯科学会誌
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原著論文
咀嚼運動終末位の咬頭嵌合位に対する3次元的位置関係の分析
中村 健太郎山本 司将山口 雄一郎松浦 尚志佐藤 博信
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2017 年 9 巻 1 号 p. 53-61

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抄録

目的:下顎運動分析記録装置は咀嚼運動路を分析し,咀嚼機能の回復に用いられてきた.さらに近年,咀嚼運動路の終末位(以下,咀嚼運動終末位とする)付近の顎位を詳細に分析ができるようになった.しかしながら,この咀嚼運動終末位と咬頭嵌合位との位置関係は十分に解明されていない.そこで,本研究の目的は下顎運動分析記録装置と改良した咀嚼運動終末位分析ソフトウェアを用いて,咬頭嵌合位に対する咀嚼運動終末位の位置関係を明らかにすることである.

方法:被験者は健常有歯顎者の男性歯科医師5名を対象とし,下顎運動分析記録装置と既存の下顎運動記録ソフトウェアを改良した咀嚼運動終末位分析ソフトウェアを用いて,咀嚼運動終末位の咬頭嵌合位に対する位置関係を分析した.被験食品は10×10×10 mmに加工したバナナ,カマボコ,りんご,食パン,フランスパンとし,それぞれ左右側で片咀嚼5回ずつ2回(計10回)行わせ,顎運動を計測した.各被験者,各被験食品の咀嚼運動別に咬頭嵌合位からの咀嚼運動終末位の3次元的位置を計測した.

結果:咬頭嵌合位に対する咀嚼運動終末位は被験食品の違いにかかわらず,前方または後方に位置した.その距離は食品別でも個人別でも最大で平均0.18 mmであった.左右的位置関係についてはその距離は最大でも平均0.12 mmであった.

結論:健常有歯顎者における咀嚼運動終末位は咬頭嵌合位に近似していることが示された.

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© 2017 公益社団法人日本補綴歯科学会
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