2017 年 9 巻 1 号 p. 62-65
症例の概要:患者は上顎前歯部の動揺を主訴に来院した82歳女性であり,Kennedy class Ⅲ Division Ⅰの症例に対し,テレスコープデンチャーを用いて審美,咀嚼障害の改善を図った.歯周病専門医により初期治療中に保存困難歯を抜歯した後即時義歯を装着し,それをプロビジョナルデンチャーとして修正した後,最終義歯を製作した.装着後,主訴は概ね改善し,良好に経過している.
考察:テレスコープデンチャーを選択した結果,二次う蝕などのトラブルにも容易に対応でき,良好な予後につながっていると考えられる.
結論:高齢者の欠損に対し,テレスコープデンチャーにて補綴する事は,審美,咀嚼障害を改善し,良好な予後を得る上で有効な処置である.