2017 年 9 巻 4 号 p. 304-310
日本における無歯顎患者の割合は年々減少しているが,一方で高齢人口は増加しており,結果的に無歯顎患者の総数は依然として多いと考える.長きにわたり,全部床義歯(以下,CD)は無歯顎患者の欠損補綴歯科治療の第一選択とされているが,2002年にマギル声明が発表されて以来,インプラントオーバーデンチャー(以下,IOD)が積極的に用いられるようになった.本稿では,まず始めに文献的レビューを基にCDと比較した際のIODの有効性について解説したい.また,IODを製作する上でのポイント,特にIODを成功させるための考え方,使用するインプラント体の本数,各種アタッチメントの使い分け,さらには製作手順についても解説したい.