抄録
本研究の目的は,北海道と沖縄の保育施設間で行われた保育者交換留学の事例から,「越境型研修」が参加者と周囲にもたらす変容を明らかにすることである。「越境型研修」とは,企業などの人材育成で用いられる越境学習を園外研修に応用したものであり,ホームとアウェイの往還により,参加者の学びを促すことを特徴とする。参加者2名,当該園長2名にインタビュー調査を行い,越境前・中・後の体験内容を質的に分析した。結果,「越境型研修」の参加者には,保育に対する俯瞰的・構造的理解の獲得,価値の発信者としての育ちなどの変容がみられた。また,越境者の存在が,同僚や子どもの地域に対する関心を高めることなども明らかとなった。