【目的】おでんのゆでたまごは過加熱により食感が硬くなる。本研究ではゆでたまごの食感制御方法を検討した。【方法】ゆでたまごのゲル強度は、ゲル圧縮試験機(テキソグラフ)を用いて卵白ゲルの破断強度を測定した。おでんの出汁として、各種醤油希釈液に卵白ゲルを浸漬し、加熱温度と時間に対するゲル強度の変化を調べた。【結果】過加熱により卵白のゲル強度が1.5∼3.0倍上昇した。醤油中での卵白ゲル浸漬実験で、ゲル強度を軟らかくする醤油(淡口)と硬くする醤油(濃口)があった。両者の違いを分析した結果、醤油中の残存プロテアーゼ活性が影響していることが判明した。この現象を利用し、食品用プロテアーゼでゆでたまごを前処理し、食感の硬化を制御する方法を検討した。