日本調理科学会大会研究発表要旨集
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口頭発表
  • 大田原 美保, 北原 茉美, 大石 恭子, 香西 みどり
    セッションID: 1A-1
    発行日: 2019年
    公開日: 2019/08/26
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    【目的】演者らは炊飯後冷蔵24時間程度までの米飯の初期老化に着目し,冷蔵後の飯粒を厚さ0.1mmに圧縮した試料(圧縮米飯粒)を作成し,色測定と画像解析による初期老化の評価法を考案した。4品種の米飯では,圧縮米飯粒の色や画像解析値と官能評価及び物性測定値には高い相関が認められた1)。本研究ではこの評価法の拡大適用を目的として,調味米飯試料の初期老化の評価を行った。

    【方法】洗米・浸漬後,加熱直前に砂糖,食塩,醤油,食酢,合わせ酢を添加して炊飯し,その後米飯を4℃で0-24時間まで冷蔵して試料米飯とした。これを一粒ずつスライドガラス上に置きカバーガラスの上から0.1mmに圧縮して圧縮米飯粒プレパラートを作成し,その色測定(L*)及び顕微鏡観察による画像の輝度値を解析した。官能評価による米飯の老化感,物性測定(表層及び全体の硬さ,粘り)により試料米飯の老化の程度を把握した。

    【結果および考察】物性測定では,食塩添加米飯の冷蔵14時間は同時間の白飯よりも全体硬さが大きい傾向を示した。食酢および合わせ酢添加米飯の粘りや付着性は炊飯直後から高く冷蔵後も高値を示し,表層及び全体硬さの冷蔵による増大は小さかった。圧縮米飯粒のL*や画像解析値は食塩添加米飯の冷蔵14時間が他試料よりも老化が進んでいることを示し,食酢や合わせ酢添加米飯の老化抑制傾向を示していた。官能評価において,食酢及び合わせ酢添加米飯の老化感は冷蔵後も他試料より低かった。食塩添加米飯は物性や圧縮米飯粒測定では白飯よりも老化傾向にあったが,老化感は白飯と同程度であり,官能で捉える老化には味の影響が示唆された。1)大田原ら(2018), 日本食品科学工学会誌, 65, 170-182

  • 久井 志織, 村元 由佳利, 松井 元子
    セッションID: 1A-2
    発行日: 2019年
    公開日: 2019/08/26
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    【目的】クズでんぷんは和菓子や日本料理に古くから用いられている。クズでんぷんを用いる料理人の間では新しいものより保存したものの方が利用しやすいと経験上言われているが,その違いを科学的に評価した報告はない。そこで本研究では,長期保存によるクズでんぷんの特性の変化について検討した。

    【方法】試料は,製造から1年未満の吉野本葛((株)八十吉)と1〜14年間保存したものを用いた。まず,クズでんぷんの色彩,水分含量を測定した。次に,試料の10%懸濁液を一定条件で糊化した後の物性(かたさ,付着性)を厚生労働省「えん下困難者用食品たる表示の許可基準」の測定法に準じて,経時的(調製後35℃で保存,15分ごとに210分まで)に測定した。さらに,糊化特性,でんぷん粒の粒度分布を測定した。

    【結果および考察】クズでんぷんの色彩は,保存期間が長くなると,白色度は低く,黄色度は高くなった。水分含量は,製造から1年未満のクズでんぷんで16.1%,5年保存で14.1%,14年保存で12.8%であった。糊化でんぷんのかたさ(最大荷重)は,調製105分後において,製造から1年未満のもので5.7N,1年保存で6.4N,3年保存で6.7N,5年保存で9.4N,10年保存で7.1N,14年保存で7.5Nであり,保存によりかたさが変化することが示唆された。一方,付着性には大きな違いは認められなかった。また,1〜5年間保存したクズでんぷんの糊化特性やでんぷん粒の粒度分布に関しても,保存による大きな変化は認められなかった。以上の結果から,クズでんぷんの特性は保存期間によって様々な変化をすることが示唆され,今後はこの変化の要因について検討する予定である。

  • 奥西 智哉, 根井 大介
    セッションID: 1A-3
    発行日: 2019年
    公開日: 2019/08/26
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    【目的】炊飯は水を吸わせた米に熱を加えることにより,米の主成分であるデンプンを糊化させることで食事に適した状態にすることである。また,炊飯後の温度条件により米飯が硬化(老化)することもよく知られた事実である。これまでメタノール中で脱水しつつ再糊化させずに米飯を粉砕することで,炊飯米の評価をRVAによりできる可能性について報告したが,今回,米飯老化についてデータ蓄積を行ったので報告する。

    【方法】加水量の異なる各種米飯約30gを200mL容トールビーカーに採取し,パラフィルムで密閉したものを異なる温度で所定期間保管した。保管後の米飯試料に約200mLのメタノールを加え,即座にホモジナイズした。粉砕物はろ過を行い,その際同時にアセトンで十分に洗浄した。風乾した後,次の条件にてRVA分析した。パドル回転数は160rpm で1分まで50℃を保ち4分間で93℃まで昇温し7分間保った。4分間で50℃まで降温し4分間保った。また,同様の試料についてテンシプレッサーによるテクスチャー分析を行った。

    【結果および考察】粉砕生米粉のRVA分析ではデンプン糊化による最高粘度のピークが得られるが,炊飯によりこのピークは見られなくなる。炊飯後の試料では最高粘度ピークは非常にわずかなものしか観察できなかった。低温の保管および低加水量炊飯では米飯の老化が進むが,これに伴いRVA分析での粘度ピークの再出現が観察された。

    この研究の一部は内閣府戦略的イノベーションプログラムによって行われました。

  • 平島 円, 藤本 はるな, 高橋 亮, 磯部 由香, 西成 勝好
    セッションID: 1A-4
    発行日: 2019年
    公開日: 2019/08/26
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    【目的】コーンスターチの糊化に及ぼす高pHの影響について,その糊液の特性から検討した結果,pHを12程度まで高くすると,糊化が起こりにくく,糊液の粘度は低下するとわかった。しかし,pHが12を超えると,糊化は起こりやすく,粘度は高くなった。本研究では,ゲルを形成する高濃度のコーンスターチを用いて,高pHでのゲルの特性について検討した。

    【方法】澱粉にはコーンスターチ(三和澱粉工業(株))を用い,その濃度は20wt%とした。pHは Sorensen緩衝液で,6.0(コントロール)〜13.1に調整した。糊化と澱粉ゲルの特性はDSC測定と一軸圧縮測定にて検討した。

    【結果および考察】澱粉のpHを12.4までのアルカリ性にすると,澱粉ゲルの破断応力と破断歪が低くなり,大変形においてやわらかくもろいゲルを形成するとわかった。これは澱粉の糊化温度が高温側に移行し,糊化が起こりにくくなったことから,粒子内からアミロースとアミロペクチンの溶出量が少なくなったためと考えられる。しかし,初期弾性率の値はpH12付近まではほとんど影響を受けず,微小変形領域ではアルカリ性の影響を受けにくいとわかった。一方,pHが12.4を超える強アルカリ性では,破断応力と初期弾性率は低かったが,破断歪が高く,ゲルはやわらかいがしなやかになるとわかった。それぞれのpHで還元糖量を測定すると,pHが12.4を超える強アルカリ性では還元糖量が急激に増加した。すなわち,強アルカリ性ではアミロース鎖とアミロペクチン鎖が切断され,その長さが短くなるが,量は多くなるとわかった。そのため,強アルカリ性ではアミロースとアミロペクチンの絡まりあいが多く,破断歪が高くなったと考えられる。

  • 西原 百合枝, 杉本 茉優, 林田 美穂, 星野 楓, 宮原 奈美, 朝倉 富子, 舟木 淳子
    セッションID: 1B-1
    発行日: 2019年
    公開日: 2019/08/26
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    【目的】正月料理や口取りとして親しまれている伊達巻の表面部分には焼き目があり,咀嚼機能の低下がみられる人の摂食には適さないことがある。本研究では,咀嚼に困難がある人でも食べやすい伊達巻の作製のために,プロテアーゼの利用を試みた。

    【方法】鶏卵,魚肉すり身(えそ生すりみ,株式会社博水),グラニュー糖を撹拌し,IH調理器を用いて加熱し,常温で静置したものを伊達巻ゲルとした。プロテアーゼはコクラーゼ・P顆粒(三菱ケミカルフーズ株式会社)を使用した。伊達巻ゲルを2×2×2 cmに切り出し,2%コクラーゼ溶液(食塩5%含む)を伊達巻ゲル表面に添加したものをプロテアーゼ処理伊達巻ゲルとした。一方,蒸留水(食塩5%含む)を表面に添加したものを対照伊達巻ゲルとした。これらの伊達巻ゲルについて,実体顕微鏡によるゲル表面の観察,クリープメータ(株式会社山電)を用いた破断強度解析,SDS-PAGEによるゲル表面のタンパク質分解の観察を行った。

    【結果および考察】実体顕微鏡を用いた観察では,プロテアーゼ処理伊達巻ゲルの外相は対照伊達巻ゲルの外相と大きな相違はなかった。破断強度解析では,対照伊達巻ゲルの応力−歪曲線には大きな破断がみられたが,プロテアーゼ処理伊達巻ゲルには明瞭な破断はみられなかった。またプロテアーゼ処理伊達巻ゲルの応力は,歪率0-25%の範囲で対照伊達巻ゲルと比較して小さかった。SDS-PAGEを行ったところ,プロテアーゼ処理伊達巻ゲルではタンパク質の分解がみられた。これらのことからプロテアーゼによりタンパク質が分解され,表面のやわらかい伊達巻ゲルが作製できたと考えられた。

  • 阿相 優香
    セッションID: 1B-2
    発行日: 2019年
    公開日: 2019/08/26
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    【目的】豆乳,ライスミルク,アーモンドミルクなどの各種ミルクが牛乳の代替として利用されている。本研究では,各種ミルクがカスタードプディングの物性と嗜好性に及ぼす影響を検討した。

    【方法】<材料配合>卵とミルクの配合割合は1:1〜3とし,砂糖濃度は卵と希釈液の総量に対して17%とした。ミルクとしては,牛乳,豆乳およびアーモンドミルクを用いた。<調製方法>割卵後撹絆・裏ごした卵と砂糖を溶かした40℃のミルクを混合して卵液を調製し,50gずつ金属製プリン型に分注した。ラップで蓋をし,85±1℃ の恒温水槽中で20分間加熱後,流水で冷却して,測定試料とした。<測定項目>破断試験およびテクスチャー試験(レオメーター),色調(測色色差計),官能評価(7段階尺度の評点法)を行った。

    【結果および考察】卵:ミルクが1:2のプディングにおいては,牛乳希釈試料の破断応力と破断歪率が最も高く,次いで豆乳,アーモンドミルクの順であった。また,卵:ミルクが1:3のプディングにおいても,牛乳希釈試料の破断応力,破断歪率が最も高く,次いで,豆乳であった。なお,アーモンドミルク希釈試料はゲルの保形性が弱く測定不能であった。次に,卵:牛乳が1:3の試料と同程度の破断応力になる豆乳およびアーモンドミルクの配合割合を検討した結果,豆乳2.4倍,アーモンドミルクは1.5倍となった。これら3試料を用いて官能評価を行った結果,豆乳は牛乳に比べてかたく,甘みが弱いと評価された。一方,アーモンドミルクは牛乳に比べてやわらかく,なめらかで甘味が強いと評価された。これらの結果より,ミルクの種類によりカスタードプディングの物性と嗜好性が異なることが明らかとなった。

  • 小泉 昌子, 峯木 眞知子
    セッションID: 1B-3
    発行日: 2019年
    公開日: 2019/08/26
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    【目的】近年日本では,消費者が卵を購入する際に,卵殻の色が重視されている。そしてこの卵殻の色は,鶏種により異なることから,市場での差別化を図るために,赤玉卵やピンク卵などの卵が数多く流通している。しかしこれまでに,鶏種の違いによる卵の調理特性や食味特性に関する報告はほとんどない。そこで本研究では,3鶏種を用いて,鶏種の違いが卵の調理特性および食味特性に与える影響を明らかにする。

    【方法】試料は,白玉卵が白色レグホーン種ジュリア(W),赤玉卵がボリスブラウン鶏種(R),ピンク卵がソニア(P)の産んだ卵であった。各鶏の週齢は,W試料67週齢,R試料54週齢,P試料67週齢であり,全て市販卵の範囲であった。測定項目は,卵の品質として,成分分析,卵黄色,ハウ・ユニット(HU),部位別重量割合,調理特性として,ゆで卵とカスタードプディングを調製し,その色度,物理的特性を測定した。なお,その食味特性は,女子大学生を対象に官能評価を行った。

    【結果および考察】W試料は,卵白水分含有量が高く,たんぱく質含有量が低かった。卵の鮮度を示すHUは,W試料が他の2種に比較して低かった。ゆで卵の卵白のかたさは,かたい順に,R,P,W試料であった。ゆで卵の卵黄およびカスタードプディングのかたさは,3試料間に違いはなかった。ゆで卵卵黄の色は,P試料の明度が高く,色が薄かった。カスタードプディングの分析型官能評価では,P試料は白玉に比較してかたさが有意に低く,他2試料に比較して色が薄いと評価された。総合評価では,ゆで卵・カスタードプディングともに,W試料が最も良い評価であったが,差はなかった。

  • 鈴木 彩日, 檀上 沙梨, 石橋 ちなみ, 杉山 寿美
    セッションID: 1B-4
    発行日: 2019年
    公開日: 2019/08/26
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    【目的】卵はその乳化性と熱凝固性から料理のテクスチャー特性を決定づけている。我々はこれまでに,調製時の牛乳温度がカスタードプディングのテクスチャー特性や焼成過程のレオロジー特性に影響することを報告している。本研究では,冷却遠心分離による脂質分画等によって,この異なる特性の要因を検討した。

    【方法】プディングは全卵(卵黄17.5g,卵白32.5g),砂糖18g,牛乳100mlで調製し,牛乳温度は25,50,70,95℃の4条件とした。脂質分画は冷却遠心分離により行った。得られた2画分から脂質抽出を行い,脂肪量,リン脂質リン量を測定した。また,SDS電気泳動を行った。

    【結果および考察】プディング液の脂質分画では,TGは牛乳温度に関わらず上層に多く分画された一方,PL-Pは牛乳温度が高いほど上層に多く分画された。この異なる画分への分画と,PL-Pの上層への分画は,卵黄LDL表面蛋白質の変性の結果と考えられた。プディングの脂質分画では,TGは加熱により上層に分画されにくくなったが,牛乳温度が高いほど上層に多く分画された。また,PL-Pは8000rpmでは上層に,16000rpmでは下層に多く分画され,TG,PL-Pともに牛乳温度が高くなるほど上層に多く分画された。PL-Pは蛋白質とも脂質とも親和性を有し,焼成によって卵白蛋白質との結合が優位になるが,牛乳温度が高い場合はその程度が低いと考えられた。プディングのSDS電気泳動では,牛乳温度が高い場合にオボアルブミンの検出の程度が低い傾向にあった。以上より,牛乳温度が高い場合は,卵黄LDLと卵白蛋白質との相互作用が抑制され,卵白蛋白質間の構造構築が十分となることが示唆された。

  • 荒木 彩, 多山 賢二, 阿部 典子, 岡本 洋子
    セッションID: 1C-1
    発行日: 2019年
    公開日: 2019/08/26
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    【目的】我々は酢酸による体脂肪蓄積の抑制効果やメカニズムを動物レベルで明らかにし,酢酸を毎日750〜1500mg 1ヶ月以上摂取することで高血圧者の血圧が低下することを示してきた。その後,脂質異常症や肥満が改善できることも示された。しかし酢酸が主成分の食酢の継続摂取が必須で,飲用酢の活用は費用面で問題が多い。従って安価な調味料としての食酢をうまく使い,簡便だが美味しい料理にすることで,酢酸の摂取量を増やす試みが必要と考えた。今回,安価で主菜としても提供できる鶏胸肉を用い,酸味をマスキングする調味物質を加え,新調理法を用いて検討を行ったので報告する。

    【方法】真空調理法を用いた。大手食酢企業が推奨する「鶏のさっぱり煮」のレシピを改良し,食酢へ,グルコース,食塩,グルタミン酸の他,ナリンジンを加えた調味液を作成し,これに鶏胸肉を浸漬して加熱する手法を採用した。調理後,立方体に切断し,物性をクリープメーターで測定した後,調味5成分の含量を測定した。

    【結果および考察】(1) コンビスチームモード,蒸気量100%,庫内温度85℃とし,中心温度が75℃に到達してからの加熱時間を変える,(2) 袋詰め量を変える,(3) 浸漬時間を変える,という視点で解析した。まず,鶏胸肉は加熱によって非常に短時間に急速収縮し,軟らかさは期待できないことが確認された。各調味成分は浸透の程度が異なることが示された。条件検討の結果,加熱時間を5分,真空調理専用袋(280×380mmのフィルム)に300gを封入,浸漬期間を2日間(冷蔵)とすることで,調理した鶏胸肉100g当たり,酢酸を1000mg含むことが明らかとなり,肉の購入日を変えた実験で再現性も確認した。

  • 和田 珠子, 安藤 真美, 伊藤 知子, 久保 加織, 小寺 真実, 髙村 仁知, 露口 小百合, 中平 真由巳, 林 淑美, 原 知子, ...
    セッションID: 1C-2
    発行日: 2019年
    公開日: 2019/08/26
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    【目的】炒め調理は家庭で行われる頻度の高い調理法であるが,水っぽくなる,やわらかくなりすぎるなど,おいしく仕上がらないという声も多い。家庭で簡便においしい炒め物を作る方法を探るため,まず本研究では,炒め物の官能評価に適した評価項目を検討し,おいしさに関係の深い要素を明らかにすることを目的とした。

    【方法】北海道産たまねぎを高さ5cmになるよう上下を切り落とし,放射状に幅5〜10mmに切って試料とした。口径26cmのフッ素樹脂加工フライパンに試料重量の5%のキャノーラ油を入れ,中火で火力を固定したガスコンロを用い,フライパン表面の温度が200℃に達した時点で試料を投入し,ヘラで撹拌しながら炒めた。炒め時間(1,1.5,2,2.5,3分),試料重量(50,100,150,200g)を変えて実験を行い,炒め後の試料重量から重量残存率を算出した。また,炒め試料について官能評価を行った。

    【結果および考察】試料100gを用い炒め時間を変えた場合,重量残存率は炒め時間1分で95.9%,2分で87.6%,3分で77.3%であった。炒め時間を2分とし試料重量を変えた場合,重量残存率は50gで83.2%であったが,200gでは93.2%となった。官能評価では,50g-2分,100g-2分,2.5分,3分がおいしいと評価され,その重量残存率は75〜90%であった。重量残存率90%以上では生に近い状態であった。官能評価の項目では,「火の通り具合」「香ばしさ」とおいしさとの間で正の相関が,「辛味」で負の相関が高く,たまねぎの場合,これらがおいしさと関係の深い要素であることが明らかになった。その他の官能評価項目とおいしさとの間にも相関が見られた。

  • 小池 成彦, 伊藤 雄一郎, 逸見 憲一
    セッションID: 1C-3
    発行日: 2019年
    公開日: 2019/08/26
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    【目的】IH(Induction Heating)ジャー炊飯器では,加熱コイルにより炊飯釜を誘導加熱し,釜内の炊飯液及び米飯へと熱伝達することで炊飯を行う。炊飯器の釜形状や,釜に対する加熱コイルの配置変更は,炊飯時に釜底から発生する気泡の分布を変化させ,米飯の炊き上がりやおいしさに大きく影響を与える。本研究では,炊飯器に対して沸騰解析を実施し,炊飯時に発生する気泡と米飯物性の関係性について調査した。

    【方法】IHジャー炊飯器(三菱電機製NJ-AW108及びNJ-AW109)に搭載されている2種類の釜(標準釜及び標準釜の底部にリング状の凸部を追加した凸リング釜)に対し,電磁界と熱流体の連成解析を実施し,沸騰現象の可視化と気泡分布の定量評価を行った。さらに,炊飯後の米飯に対し,含水率・硬さ粘り等の物性測定を行い,気泡分布と米飯物性を比較した。

    【結果および考察】連成解析の結果,気泡は釜底の凸部や側面部における傾斜に沿って多く発生することを確認した。実炊飯との関係を調査すると,気泡分布と米飯物性に一定の相関があり,釜内で気泡が集中する領域において,米飯の含水率が高く,軟らかい傾向にあることが明らかとなった。標準釜では釜側面と中央から集中して上昇する気泡に起因して含水率及び硬さのムラが発生し,側面や中央が盛り上がった炊き上がりとなった。一方,凸リング釜では含水率及び硬さのムラが低減され,炊き上がりがフラット形状に近づいた。釜底に設けた凸部により気泡の発生が分散され,釜内の気泡分布が均一化されたことで,米飯物性のムラの低減と,炊き上がり形状が改善したと考えられる。

  • 藤田 萩乃
    セッションID: 1C-4
    発行日: 2019年
    公開日: 2019/08/26
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    【目的】日常の調理においては,「炭火焼きのようにおいしく調理したい」,「食材を焦がして無駄にしたくない」,「頑固に汚れた鍋を洗いたくない」,「時間をかけずに調理したい」,「本格料理をもっと簡単に再現したい」という,人類が火を使うようになって以来の悲願と言える普遍的なニーズが存在するにもかかわらず,永らくこれらが同時に解決されることはなかった。

    簡便な調理方法として使い捨てのアルミ箔鍋や電子レンジ用シート等があるが,空焚きにより簡単に燃え,食材が鍋に貼り付きやすく,調理の失敗になりやすい。そして最大の問題点は美味しく調理できないことである。美味しい料理を短時間で簡単に再現できる調理システムの構築が求められている。本研究の目的は具体的な加熱方式と調理器具の双方から,美味しく本格的な料理を簡単に再現する方法を追求することにある。

    【方法】そこで炭火焼きのような遠赤外線を放射し,食材表面を焦げるまで変質させることなく,ナベに食材が貼り付かない表面処理を施し,誰でも本格的料理を簡単に再現できる民生用の簡易ナベを開発し,調理器側からこれらの命題を解決していく。熱容量の少ないアルミ箔を基材に選定することにより,放射と直接伝熱の応答性を高め,易廃棄性にも配慮している。

    【結果および考察】当該ナベによれば,40〜50gに調整した鶏モモ肉を市販の醤油系水溶きから揚げ粉を付けて,少量の油で(肉が油面から顔を出す半身浴状態),4分間触らずに放置してもコゲを発生させることなく調理を完了することができる。本稿では当該ナベの成型方法及び,から揚げの調理結果について報告する。

  • 駒田 聡子
    セッションID: 1D-1
    発行日: 2019年
    公開日: 2019/08/26
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    【目的】家庭科は,「日常生活に必要な基礎的知識および技術を身につける」ことを目的としているが,大学生の様子を見ると「缶切りが使えない」「(青菜ゆで)お湯の沸騰が分からない」「親指を使って桂むきができない」など,小学校から始まる家庭科で学ぶべき内容が定着していないと感じる場面が多い。そこで将来小学校教員となる教育学部学生を対象にアンケートを採り,これまでの学びの中で食に関わる基礎的・基本的知識がどの程度身についているのかを知り,そこから課題をみいだし教科教育に活かすことを目的とした。

    【方法】二大学の教育学部学生を対象として家庭科教育の初回授業時に,衣食住に関わる基礎的知識を問うアンケートを実施した。回答者数202名。

    【結果および考察】各項目の正解率は,1カップの容量 43%,大さじ1 55%,小さじ1 64%,水からゆでる食材 40%,食品群 約55%,1合 9%,消費・賞味期限 92%,食糧自給率語句の意味 54%・数値 11%,密度の違い 63%,廃棄率計算 36%だった。この結果より,実生活に必要な各教科での学びが知識として定着していないことが示唆できた。今後は各教科での学びを「実生活の具体的などの場面にどう活かすのか」,「どう活かせるのか」をより実感を伴って理解されるように教え,小学校での教科教育に活かせる教員養成を行っていく必要性を強く感じた。

  • 山田 直史, 橋本 萌衣
    セッションID: 1D-2
    発行日: 2019年
    公開日: 2019/08/26
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    【目的】日本では正月やクリスマスなどの様々な行事が行われており,それぞれの行事で行事食を食べる習慣がある。その習慣は家庭や地域によって異なっている。一方,成長とともに行事を祝わなくなってきているものもある。そこで本研究では平成末期の高校生世代における,行事を祝う習慣と「祝う」という行為における行事食の結びつきについて明らかにすることを目的とした。

    【方法】清心女子高等学校(岡山県倉敷市)在学の高校1年生から3年生357名を対象とし,アンケート調査によって「行事を祝っているか」「飾り付けをしているか」「どのようなものを食事としているか」を調べた。また,回答欄には『祝ったことがある』と過去における経験を項目に加えた。

    【結果および考察】正月,クリスマスは90%近くが行事を現在も祝っていた。節分,ひな祭りは90%近くが祝った経験があるが,現在も祝ってると回答したのは40〜50%程度であった。七夕,十五夜は50%程度が経験していたが,現在も祝っていると回答したのは10台であった。復活祭は10%が経験があり,現在では2%であった。正月,クリスマス,節分においては,お祝いをしているより,飾り付けを行っていると回答した割合が低くなっていた。このことから,食事を行うことによって行事を祝ったとする傾向が高い行事だと考えられるた。一方で,ひな祭りはお祝いをしていると飾り付けの割合が同程度であり,飾り付けが祝うという行為に強く結びついている行事と考えられた。また,これらは明確な行事食のイメージが持たれていた。一方で,七夕,十五夜,復活祭は行事食のイメージが低かった。行事食の定着が先行することによって,行事の定着が進むと考えられた。

  • 髙山 裕子, 菅原 沙季
    セッションID: 1D-3
    発行日: 2019年
    公開日: 2019/08/26
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    【目的】若年女性を対象として,野菜摂取量と野菜嗜好,小児期の野菜嗜好や食習慣,食育経験を調査し,野菜摂取に影響を及ぼす要因を明らかにすることを目的とした。

    【方法】対象は,18〜39歳の女性105人であった。調査時期は,2018年7月〜9月であった。方法は,野菜摂取量とそれに関連する栄養素摂取量を把握するために,佐々木らが開発したBDHQ(簡易型自記式食事歴法質問票)を用いた。BDHQ調査と同時に自記式質問紙調査を行った。調査項目は,基本属性(性,年齢,職業,家族構成),現在の野菜に関する嗜好状況,過去(幼児期,学童期)の野菜に関するの嗜好,食経験,食育経験等である。

    【結果および考察】BDHQから得た野菜摂取量は217.5gと1日の野菜摂取目標量350gの6割程度であった。野菜に関する嗜好の項目では,一般的に偏食の傾向が強いとされている6種類の野菜について4段階評定尺度によって得点化した。幼児期,学童期,現在における嗜好を比較した結果,年齢を重ねるほど嗜好度が上昇した。これら野菜の好き嫌いを示す得点について,幼児期,学童期,現在において差異があるかをみると,有意な差が認められた。このことから,子どもの頃に苦手であった野菜が現在では好きになるという傾向がみられた。食の好みの変化に影響したと自覚している事柄をたずねた結果,15項目のうち食育,引っ越し,コンビニエンスストアの利用,テレビ・雑誌・新聞などの健康情報が,緑黄色野菜摂取量と関連がみられた。特に食育の影響が大きいと感じている人は,段階的に緑黄色野菜の摂取量が多くなっていた。

  • 今村 麻里子
    セッションID: 1D-4
    発行日: 2019年
    公開日: 2019/08/26
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    【目的】平成27年度の国民健康・栄養調査では,主食・主菜・副菜を組み合わせた食事を1日に2回以上食べることが,「ほとんど毎日」と答えた割合は男性47.6%,女性52.7%であった。年代別にみると,男女ともに若い世代ほどその割合が低い傾向にある。急速な経済発展に伴い,便利になりゆく現代社会では,食においても簡便化・多様化が大きく進行し,それに伴い学生の食生活にも影響があると考える。そこで女子大生における食事摂取状況とその内容について調査した。

    【方法】平成29年12月〜平成30年7月の連続した7日間に,T大学の20歳代女性91名を対象とした1週間の食事摂取記録を実施した。調査項目は,(1)属性(2)生活形態(3)喫食の有無(4)食事時間(5)食事内容(食事内容は写真で記録し,料理名を記入させ,そこから品目数および主食,主菜,副菜,汁物,果物,乳製品を分類)(6)主たる調理者(7)自分が摂取した食事内容についての所感。

    【結果および考察】朝食の摂取は平日で8割,休日で6割であった。休日は欠食や昼食との兼用ですませている者が増え,平日は主食のみで済ますひとり暮らしのものが多かった。昼食は,ひとり暮らしの平日は実家暮らしなどに比べて中食が45%と多く,そのほとんどはコンビニエンスストアで購入したものであり,多くがおにぎりや菓子パンだけの単品摂取であった。主食の喫食率が98%と高いのに対し,主菜の摂取率は50%程度に留まっている。夕食の欠食は10%とあまり見られなかったが,アルバイトなどによる喫食時間の遅さや緑黄色野菜の喫食は6割程度,その他の野菜で8割程度であった。学生の食習慣を調査したことで,ライフスタイルに合う食生活の提案が必要という事が分かった。

  • 古谷 彰子, 大西 峰子, 平尾 和子
    セッションID: 1E-1
    発行日: 2019年
    公開日: 2019/08/26
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    【目的】オランダ,ブルージュ地方で食されている焼き菓子にレースクッキーと呼ばれるものがある。繊細で透き通った外観をもち,バター,砂糖を基本の材料として作られる。非常に薄くカリカリした食感が特徴的で,基本以外の材料はレシピによって異なり,オーツ麦や小麦粉を使うものもあれば,塩,ナッツ,モラセス(糖蜜)を入れるものもある。また,その呼び名も様々である。本学でもモラセスを使用したレースクッキーを実習内容として取り入れているが,調製条件が少しでも違うと異なった外観や物性になることに着目した。そこで本実験では,焼成温度,材料配合割合の検討を行い,恒常的に優れたレースクッキーを得る条件を求めることを目的とする。

    【方法】材料は,砂糖,モラセス,バター,薄力粉を用いた。これまでの実習で使用しているレースクッキーの配合割合を基に,1)焼成温度,2)砂糖とモラセスの種類・割合の検討を行い,破断測定(クリープメーターRE2-33005B,(株)山電)によって,カリカリとした食感を維持できる条件を選定した。その後,評点法による官能評価(本学学生50名)を行い,特性評価,嗜好を検討した。

    【結果および考察】砂糖の配合割合が多いレースクッキーの物性は,モラセスの割合が多いものと比較して凝集性が低い傾向がみられた。また官能評価により,カリカリとした食感,透き通った外観,もろい食感のレースクッキーを得るためには,砂糖の割合を多くし,モラセスの割合を少なくする方が良いことが解った。最も好まれた配合割合は砂糖とモラセスの割合は2:1であり,従来用いている配合割合とは異なった結果を示した。また,焼成温度も従来よりも高い方がよいことが明らかとなった。

  • 佐藤 優望, 村元 由佳利, 松井 元子
    セッションID: 1E-2
    発行日: 2019年
    公開日: 2019/08/26
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    【目的】コーヒーは嗜好飲料として世界中で親しまれており,日本のコーヒー消費量は世界で第4位である。一般的にコーヒーの味や風味は,その産地や品種により異なると言われているが,コーヒーに関する研究は豆についての報告が多く,浸出液について比較した報告は少ない。そこで本研究では,産地の異なる同一品種のコーヒー豆から得た浸出液の特徴を比較検討することを目的とした。

    【方法】コーヒー生豆は,2017年産の生産地の異なる(グアテマラ産,ルワンダ産,パナマ産,ブラジル産)アラビカ種のブルボン品種を用いた((株)小川珈琲より供与)。これらを同一条件で焙煎(中煎り),粉砕(中挽き)したもの10 gに90℃の熱湯150gを加え1分間浸出させたものを浸出液試料とし,総ポリフェノール量(フォーリンデニス法),有機酸総量(滴定酸度),pH,全糖量(フェノール硫酸法)を測定した。

    【結果および考察】コーヒー浸出液の総ポリフェノール量(クロロゲン酸当量μg/ml)は,グアテマラ産で106.2,ルワンダ産で79.0,パナマ産で57.0,ブラジル産で103.1となり,産地により異なった。pHは5.2程度,有機酸総量(0.1N NaOH ml/50ml)は3.5程度であり,どの地域のものも差はなかった。全糖量(μg/ml)は,グアテマラ産で2.8,ルワンダ産で2.7,パナマ産で2.5,ブラジル産で2.8と産地によって大きな差はなく,どの地域のものもわずかであった。コーヒーの味や風味には,コーヒーポリフェノールの一つであるクロロゲン酸や,有機酸の組成,褐色色素やカフェインなどが影響を与えていると考えられるため,今後はより詳細な分析および官能評価をする予定である。

  • 篠原 亜里紗, 森田 彩水, 伊藤 大晃, 河野 俊夫
    セッションID: 1E-3
    発行日: 2019年
    公開日: 2019/08/26
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    【目的】厚生労働省の調査によると,糖尿病が強く疑われる者は1,000万人となり,右肩上がりで推移している。糖尿病患者の治療法のひとつに食事療法が挙げられるが,糖質の多い食品や菓子類を食べれば,血糖値が上昇しやすく,なかなか下がりにくい。そのため,糖質の多い食べものを控えるよう指導される。そこで,本研究では,糖尿病の方でも,血糖上昇を心配することなく,安心して食べられる和菓子を提供できるよう,和菓子素材へのセルロースの活用を検討した。その第一歩として,セルロースを含む和菓子素材それぞれの物性を明らかにした。

    【方法】供試材料には,小麦粉,片栗粉,米粉,はったい粉,白玉粉,蕨粉,葛粉,きな粉およびセルロースの9種類を用いた。このうちセルロースには,粒子径の異なるものを3種類用意した。測定した特性は,含水率,比熱,吸水性,乾燥特性である。材料の組み合わせおよびその配合を変えて混捏し,得られた試料の粘着特性と剪断特性をレオメーターや卓上型引張圧縮試験機により測定した。

    【結果および考察】ここでは,片栗粉,白玉粉,葛粉,きな粉の4種類について述べる。市販品の含水率比較では,4種類の中で最も水分量が少なかったのはきな粉で,最も水分量が多かったのは片栗粉だった。比熱は,葛粉がきな粉よりも1.37倍高い値を示した。きな粉の吸水率は,片栗粉,葛粉,白玉粉に比べ,約2倍高かった。セルロースの吸水率はこれら4種類の素材よりも高かったことから,これら4種類いずれにおいてもセルロースと混捏する際には,水の量を多めに加える必要がある。

  • 古田 絢裟, 藤本 大道, 新田 陽子
    セッションID: 1E-4
    発行日: 2019年
    公開日: 2019/08/26
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    【目的】ハナビラタケ(Sparassis crispa)は,食用として市販されており,その子実体には,β-(1,3)(1,6)結合を持つグルカンが乾燥重量あたり40%w/w以上含まれるとの報告がある。βグルカンは,抗腫瘍効果,造血促進作用などから生理活性物質として知られている。一方,ハナビラタケβグルカン水溶液は独特な粘弾性を示し,単独で熱可逆性のゲルを形成することを確認している。そこで本研究では,ハナビラタケβグルカンを精製し,ゲル化の確認および化学構造など基礎的性質を調べるための試料作成を目的とした。

    【方法】大和菌学研究所より提供を受けたハナビラタケピューレを脱脂後オートクレーブで熱水抽出し,メタノール添加で得た沈殿物を乾燥後蒸留水に分散させた。その分散液についてトリプシン処理後,エタノール添加で得た沈殿物を乾燥後蒸留水に分散させた。その分散液を0.22 μm孔径のフィルターでろ過し,分画分子量約3500の透析膜を用いて透析した。糖の定量は,フェノール硫酸法によってグルコースを標準にして行った。βグルカン定量はメガザイム社βグルカン含量測定キットを用いた。ゲル化の確認には,TAインスツルメンツ社ARES G2を用いた動的粘弾性測定等を行った。

    【結果および考察】抽出物のβグルカンの含量はトリプシン処理後:64%,ろ過後,透析後:90%以上となった。透析後の試料のゲルは,トリプシン処理後のものよりも透明度が高く,ゲルの弾性率が増加した。透析後の試料の糖含量が高く,ゲル形成も確認できたことから,透析後の試料中の多糖類の化学構造について調べた結果を報告する。

  • 森田 亜紀, 藤本 章人, 香西 みどり
    セッションID: 2A-1
    発行日: 2019年
    公開日: 2019/08/26
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    【目的】ナチュラルチーズは原料乳や微生物,熟成条件の違いにより世界に1000種類以上ありそのテクスチャーや風味は多岐に渡っている。また世界で食されているパンは多種多様である。これまでチーズの成分に関する報告は多数あるがチーズブレッドの成分特性についての報告はない。そこで著者らはチーズを原料として配合したチーズブレッドに着目し,使用するチーズの種類によって異なるパンの風味成分について解析した。

    【方法】ナチュラルチーズ6タイプ,計13種類を小麦粉に対して10%配合したワンローフ型の食パンを作成した。パンの有機酸,糖,遊離アミノ酸,揮発性成分分析を行った。結果は主成分分析を用いて解析した。

    【結果および考察】チーズの添加により有機酸と遊離アミノ酸の増加が認められ,チーズに含まれるこれら成分がパンからも検出されていることを確認した。一方で1試料において遊離アミノ酸量がコントロールよりも少なく,チーズの添加によりイーストの発酵が促進されたと推察できた。糖は,1試料のみチーズ由来と推察されるラクトースが検出され,その他の糖には差が認められなかった。検出される揮発性成分の数や量はチーズの添加により増加した。チーズの添加によりチーズ由来の酸類やケトン類が増加した。また,イーストの発酵により生成するアミノ酸由来のアルコール類や,酸類とアルコール類が反応したと推察されるエステル類,メイラード反応由来のアルデヒド類と複素環化合物類が確認された。主成分分析で解析したところ,アミノ酸と一部の有機酸,脂肪酸,アルコールの寄与率が大きく,これら成分でチーズブレッドの風味は構成されていると考察した。

  • 伊藤 聖子, 加藤 愛梨, 新井 映子
    セッションID: 2A-2
    発行日: 2019年
    公開日: 2019/08/26
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    【目的】グルテンフリー米粉パンは,小麦粉パンに比べて比容積が小さくパンの硬化速度が速いため,テクスチャー変化が大きいことが課題である。パンの硬化は,保存中におこる澱粉の構造変化が要因の一つと考えられており,アミラーゼ添加によるテクスチャーの改善や,オリゴ糖添加による保水性の保持等が報告されている。しかし,アミラーゼ以外の糖質分解酵素の影響や,オリゴ糖との併用効果については不明な点が多い。そこで本研究では,2種類のオリゴ糖と10種類の糖質分解酵素を用い,グルテンフリー米粉パンの製パン性に及ぼすオリゴ糖と酵素の併用効果について検討した。

    【方法】オリゴ糖試料は,市販のマルトオリゴ糖およびイソマルトオリゴ糖を,糖質分解酵素は市販のα-およびβ-アミラーゼ,ペクチナーゼ,キシラナーゼ,セルラーゼの粗酵素標品を用いた。グルテンフリー米粉パンは,米粉,水,砂糖,食塩,オリーブオイル,ドライイーストを基本材料とし,オリゴ糖および酵素無添加のパンをコントロールとした。オリゴ糖置換パンは,砂糖の一部を各オリゴ糖で置換し,各酵素添加の有無による比較を行った。製パン性は,パンの内相と比容積,焼成後1日および2日間保存したクラムのテクスチャー解析および糊化度測定から評価した。また,各バッター生地を用いて,発酵体積試験および粘度測定を行った。

    【結果および考察】オリゴ糖置換によって製パン性は向上し,酵素を添加することでさらに比容積が大きく,保存による硬さの変化も小さくなることが示唆された。各酵素間で比較すると,アミラーゼ添加よりペクチナーゼおよびキシラナーゼ添加生地の粘度が高く,クラムの硬さも低値になる傾向が示された。

  • 舟木 愛美, 相浦 桃花, 土岐田 佳子, 藤井 恵子
    セッションID: 2A-3
    発行日: 2019年
    公開日: 2019/08/26
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    【目的】米粉はわが国の食料自給率の向上に大きく貢献できる食材として注目され,グルテンフリー食品への応用が期待されている。これまでの研究で米粉パンの製パン性には米粉の種類,粉砕方法,粒径,澱粉損傷度等が影響を及ぼすことが示されている。本研究では先行研究で明らかになった米粉パンに適した米粉を使用し,グルテンフリー米粉パン製造過程での加熱方法の違いが, 品質,保存性に与える影響を検討した。

    【方法】米粉パンは米粉に豆乳,糖,ベーキングパウダー,オリーブオイルを混合し,オーブン加熱(80℃ 20分),ウォーターオーブン加熱(20分),蒸し加熱(90℃ 25分),電子レンジ加熱(500W 1分半を3回)の4種の加熱方法で調製した。パンの品質として破断特性,テクスチャー特性,色度,水分活性,熱分析,老化特性を測定し,併せて官能評価を行った。

    【結果および考察】電子レンジ加熱試料は4種の加熱方法の中で最も硬くなり,保存日数に依存して硬化,脆化した。一方,蒸し加熱試料は,最もきめが細かく比容積が大きく,軟らかく,電子レンジ加熱試料と比べて硬化,脆化が遅かった。熱分析及び水分活性測定の結果より,電子レンジ加熱試料は最も自由水が少ないことが示された。またいずれの試料も経時的に老化が進行していることが示されたが,蒸し加熱試料が最も老化が遅いことが示された。官能評価においては,保存3日目の試料では蒸し加熱試料は最もきめが細かく,軟らかく,しっとりしており総合的に好ましいと評価された。自由水が少なく硬化および老化が著しい電子レンジ加熱試料は,保存性の観点からは,4種の加熱方法の中で最も適さない加熱方法であることが示された。

  • 中塚 康雄, 天野 正明, 垂井 健, 坂本 守行, 前川 明俊
    セッションID: 2A-4
    発行日: 2019年
    公開日: 2019/08/26
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    【目的】大麦高含有食パンの普及のためには,低コストでふっくらとおいしく調製できる製パン技術の構築が喫緊の課題である。そのために大麦高含有食パンにおける製パン性支配因子とそのメカニズム,特にグルテンネットワークと食物繊維間の相互関係を検討し,大麦高含有食パンの調製技術に反映させた。

    【方法】リテイルベーカリーで使用されている製パン機器類を使用して,山型食パンを調製した。基本配合は大麦粉0〜50%/小麦粉100〜50%の範囲で変化させた。それ以外の調製材料は,塩1.5%,砂糖8%,液種酵母8%のみとした。大麦粉は4品種(うるち性2種,もち性2種),小麦粉は2品種(強力粉,超強力粉)を用いた。大麦の製粉はピンミルを用いた。食物繊維と澱粉粒の解離状態をみるために,最初の製粉後に53μmメッシュの篩で分級し,53μmメッシュを通過しない粗大粒子群を再度製粉し,53μmメッシュの篩で分級し,それぞれに分級された大麦粉を用いて製パン試験を行った。次に製パン性改善の試みとして,dough ミキシング時に酵素製剤を微量添加した。大麦粉の物性評価として,食物繊維量,粒度分布,SEM形態観察を行った。製パン後の物性評価として,膨化率,表面割れ性,パン内部構造を比較し,併せて食味評価を行った。

    【結果および考察】大麦品種の影響として高アミロース含量のうるち性品種が高膨化率を示した。小麦品種の影響として高蛋白質含量の超強力粉が最も高膨化率を示した。製粉〜分級の繰り返し試験では,分級後の微粒子群で膨化率の顕著な回復が見られ,食物繊維と澱粉粒の解離が進んでいた。酵素製剤の微量添加によってグルテン無添加型大麦30〜40%含有大麦パンの調製が可能となった。

  • 島田 良子, 西村 響子, 安達 真鈴, 丸山 結穂, 吉村 美紀
    セッションID: 2A-5
    発行日: 2019年
    公開日: 2019/08/26
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    【目的】レジスタントスターチ・タイプ4(RS-4)は化学修飾デンプンで,加工デンプンの一種である。加工デンプンは食品の物性改良を目的に使用されることが多いが,難消化性成分としての機能も有している。本研究では,食物繊維摂取量を増加させることを目的に,原料デンプンの異なるRS-4を添加しても,嗜好性が得られるのか,物性に差が生じるのか検討した。

    【方法】RS-4はジャガイモ,コメデンプンをリン酸架橋したものとサツマイモ,コムギデンプンをリン酸モノエステル化リン酸架橋したものを用いた。これらを小麦粉の20%と置換し,グルテンを添加しホームベーカリーで焼成した。なお,小麦粉100%で焼成したパンをControlとした。焼成1日後に,比容積測定,硬度測定を行った。官能評価は,Controlを0(普通)とし,識別評価(クラストの色,もち感,しっとり感,やわらかさ,粉っぽさ)と嗜好評価(クラストの色,香り,味,食感,総合評価)について評点法(-3〜+3)により行った。

    【結果および考察】いずれのRS-4を添加したパンの比容積はControlよりも小さく,クラムも硬かった。デンプンを架橋化するとデンプン粒の膨潤が抑制されるため,パンが十分に膨らまず硬さに影響したと推察される。識別評価,嗜好評価のいずれの項目においてもRS-4の間に差はみられず,嗜好評価ではControlよりも好まれるスコアであった。嗜好評価の結果より,RS-4を添加したパンにおいてもControlと同程度の嗜好性が得られたことから,いずれのRS-4を食パンへ添加しても日常的に摂取でき,食物繊維量を増加させる素材としても有効である可能性が示唆された。

  • 谷澤 容子, 藤井 友菜, 松宮 健太郎, 松村 康生, 香西 みどり
    セッションID: 2A-6
    発行日: 2019年
    公開日: 2019/08/26
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    【目的】近年微細化技術により数10μm程度まで粉砕が可能になった。微細化した穀類,乾燥野菜・きのこ微粒子の増粘効果に着目し,とろみづけ調理・加工への利用可能性について検討することを目的とした。

    【方法】玄米,精白米,トウモロコシ,大豆,カボチャ,ゴボウ,レンコン,干し椎茸を湿式・乾式粉砕機により平均粒子径5〜70μmに粉砕した。各4〜12%懸濁液を95℃,15min撹拌加熱し,とろみ試料を得た。20,40,60℃の流動特性をE型回転粘度計(50s-1)で測定し,とろみ試料の粘度の温度依存性をアンドレードの式で表した。調味料,冷蔵(5℃),冷凍(-20℃)保存によるとろみ試料への影響を調べるため,遠心分離(3000×g)し離水率を測定した。比較対照の澱粉糊液には一般調理に用いられている片栗粉,コーンスターチを用いた。

    【結果および考察】大豆,ゴボウ以外の粉末は8〜12%でとろみづけに用いることができ,片栗粉4%,コーンスターチ6%に相当する粘度が得られた。いずれのとろみ試料も粘度は,濃度と直線関係がみられたが,澱粉糊液よりも粘度増加係数は小さかった。また,食塩や食酢添加により,澱粉糊液の粘度低下が顕著であったことに対し,影響を受けないまたは受けても緩やかであった。冷蔵および冷凍による流動特性値の変化も米,干し椎茸は受けにくかった。以上より増粘剤利用の可能性が示唆された。粘度1000mPa・s時の粉末濃度を目的変数とし,デンプン含量,食物繊維含量,たんぱく質含量(食品成分表)に加えて粒子径,見かけの密度を説明変数とした重回帰分析を行ったところ,デンプン含量と微粒子の見かけ密度を説明変数とする重回帰式が得られた(R2=0.933)。

  • 川口 毬, 福岡 美香, 酒井 昇
    セッションID: 2A-7
    発行日: 2019年
    公開日: 2019/08/26
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    【目的】ジャガイモは重要な食糧源の一つであり,加工食品の素材として幅広く利用されている。調理.加工の場面において様々な加熱調理法が取り入れられており,各方法によって得られる物性.品質は大きく異なる。そこで本研究では,調理法ごとのジャガイモの品質への影響を検討することとした。そのために,物性変化に大きな影響を及ぼす要因を特定し,ジャガイモ組織内の反応速度解析を行うことを目的とした。

    【方法】加熱方法として,蒸煮およびマイクロ波加熱の2つの方法を用いた。蒸煮には蒸し器を,マイクロ波加熱では家庭用電子レンジにより出力600Wの設定で加熱実験を行った。この時,温度変化を光ファイバー温度計またはシース型熱電対によって取得するとともに,各加熱時間において破断試験を行い温度変化との関係を調べた。また,ホットステージを利用したジャガイモ切片の偏光顕微鏡観察から,各温度における糊化度の平衡値(終末糊化度)を取得し,その温度依存性を調べた。さらに非等温条件下での偏光顕微鏡観察の画像解析から,一次反応と仮定した場合のジャガイモ組織内のデンプン糊化反応速度式を決定した。

    【結果および考察】マイクロ波加熱と蒸煮では昇温速度に大きな違いが見られた。マイクロ波加熱における破断試験の結果では,加熱後一定の硬さを維持しその後軟化することがわかった。糊化反応解析においては,偏光顕微鏡画像をL*a*b*値に変換し,L値を指標として未糊化デンプン粒子の相当数を算出することで糊化度の定量を実現した。温度測定,破断試験,糊化度の結果から,加熱によるジャガイモの物性変化は,初期ではデンプンの糊化反応が要因であり,その後の組織変化が品質に大きく影響することが示唆された。

  • 浜守 杏奈, 大倉 哲也, 香西 みどり
    セッションID: 2A-8
    発行日: 2019年
    公開日: 2019/08/26
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    【目的】これまで大麦と米の混炊において,それぞれを単独で炊飯するよりも混炊することで糖の生成量が増加すること,炊飯中に大麦と米の酵素が互いの粒内に移動していることを確認した。しかし,両内在性酵素がどのように麦飯の糖生成に関与しているかは明らかになっていない。本研究では米と大麦から調製した粗酵素液を用いて糖生成活性の測定を行い,それぞれの粗酵素液と基質を組み合わせて実際の炊飯を想定した混炊モデル実験を行うことによって混炊における大麦と米の酵素の特性および相互作用を検討した。

    【方法】90%搗精米(日本晴),75%搗精丸麦(モッチリボシ)を試料とした。米および大麦から50mMリン酸バッファーを用いて粗酵素液を調製し,基質を可溶性デンプン,米・大麦から調製したデンプンとし,糖生成活性を測定した。還元糖はソモギーネルソン法,遊離糖はHPLCにより測定した。混炊モデル実験は,基質デンプン総量に占める大麦デンプンの割合が0,10,20,30,40,50,100%となるように調整し,糊化させた米・大麦デンプン混合液に同様の割合で混合した粗酵素液を反応させ,単独の値から算出される混炊の計算値と比較した。

    【結果および考察】還元糖生成活性については大麦が米よりも顕著に高く,その至適温度は大麦の方が低いことが示された。モデル実験において大麦単独ではβ-アミラーゼによるマルトースの生成量が多いが,混炊による遊離糖の増加はグルコースが顕著であり,大麦の割合が高いほどその傾向は強かった。大麦の酵素が米粒内でも作用することでマルトースが生成され,米のα-グルコシダーゼが作用しやすくなり,混炊でのグルコースの増加に影響したことが推察された。

  • 谷口 明日香, 京極 奈美, 長尾 慶子, 小林 理恵
    セッションID: 2A-9
    発行日: 2019年
    公開日: 2019/08/26
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    【目的】これまで我々は,数種の雑穀粉について天ぷら衣への利用適性を評価し報告した。そのうち,ソバ全層粉を用いると,極めて高い抗酸化能と低い吸油率を示し,食感や油っぽさが好ましい天ぷら衣となった。一方で天ぷら衣としての総合評価は低く,その要因は,評価点が小麦粉よりも有意に低いソバ特有の色であると推察した。そこで,比較的色の白いソバ内層粉の利用により,ソバ粉天ぷら衣の健康機能性を保持しつつ嗜好性向上を図ることが可能か,その利用効果を調べた。

    【方法】試料は,ソバの内層粉と機能性成分に富む外層粉を9:1で混合したソバ配合粉とし,小麦粉及びソバ全層粉と比較した。すなわち,小麦粉試料の定常流粘度との一致により決定したバッターの適正加水率にてバッターを調製し,その揚げ衣について色度,貫入試験,吸油率(石油エーテル浸漬法)及び水分飛散率(常圧加熱乾燥法)を測定し,嗜好型官能評価及び抗酸化能評価(化学発光法)と併せてソバ内層粉の利用効果を総合的に検討した。

    【結果および考察】ソバ配合粉の適正加水率は150%で,ソバ全層粉よりも40%減量する必要があった。ソバ配合粉揚げ衣の色調は,ソバ全層粉よりL* 値が有意に上昇し,目視においても明らかに色が薄かった。この変化は嗜好型官能評価でも見られ,色及び総合評価の評価点が向上した。その他,食感や油っぽさの評価はソバ配合粉においても良好であった。また,ソバ配合粉の抗酸化能は,ソバ全層粉と同程度であり小麦粉よりも高かった。以上より,ソバ粉を天ぷら衣に利用する際は,ソバ内層粉を主体としたソバ配合粉を用いると,優れた健康機能性を保持するとともに嗜好性の高い天ぷら衣となることが明らかとなった。

  • 高橋 ひとみ, 佐治 伸郎, 柳沢 幸江
    セッションID: 2A-10
    発行日: 2019年
    公開日: 2019/08/26
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    【目的】高橋他(2018)は,調理教育を行うために初心者の特徴を調べ,初心者と熟練者では,調理操作や調理の段取りに相違点が認められた。初心者は調理を1回経験することで,熟練者の調理の段取りに近づくことがわかった。本研究では調理時間が短縮できるような段取りで調理できるよう,カードを使用しシュミレーションすることの効果を調べ,調理教育に有効な方法を検討した。

    【方法】日常的な料理の組み合わせとして豚肉のしょうが焼き,ほうれん草の浸しの2品,計36調理操作をカードに記入し,方眼紙の上に並べ,実験対象者に調理の段取りを考えてもらった。次いで時間軸と調理場所を記載した用紙の上にカードを並べ,その後,実際に調理を行い段取りや調理時間を測定した。実験対象者は,初心者20名,熟練者15名とした。

    【結果および考察】初心者は1回目のカード実験では,カードが配置されていたレシピ通りの調理手順にし,始めにしょうが焼きのたれを作り(初心者の47.1%が実施),お浸しを盛りつけ,かつお節をのせて終了した(66.7%)。次いで時間軸,調理場所を記載した用紙を使用すると,熟練者と同じように,ほうれん草の湯を沸かすことから始め(63.2%),肉を焼く操作が調理終了近くになる傾向がみられ,望ましい段取りに変化した。初心者には,レシピのみを見て段取りを考えるという事は困難であるが,調理操作の場所や時間を考えるような情報を与えることで,適切な調理の段取りができるようになると考えられる。調理実験を行った結果,初心者は熟練者と同じ調理の段取りになったが,高橋他(2018)の結果でのシュミレーションなし群との間で,全調理時間に有意差は認められず調理時間は短縮できなかった。

  • 河原 ゆう子, 伊藤 久敏, 清水 彩子, 丸山 智美
    セッションID: 2A-11
    発行日: 2019年
    公開日: 2019/08/26
    会議録・要旨集 フリー

    【目的】火を扱うことは,火災や火傷の危険が伴うため,その性質を理解した上で安全に使用できる技術が必要とされる。2020年度からの小学校新学習指導要領には,新たに「加熱調理器具の安全な取扱いについて理解し,適切に使用できること」と明記された。しかし,これまでの学校や家庭における現状調査から,火を扱う教育には多くの課題があることが明らかになってきた。そこで,「どこでも楽しく安全に火の取扱いを学べる」をコンセプトに開発された,火の学びVR教材の体験有無による学習効果を検証した。

    【方法】被験者は女子高校生22名とし,小学生時と現在の火の取扱いや調理頻度などが均等になるように,調理実習前にVRを体験するVR体験グループと,VR未体験グループに割り振った。評価項目は,ウェアラブルトラッカーによる瞬時心拍数から算出された平均心拍数,標準偏差,変動係数,rMSSDである。本研究は,金城学院大学ヒトを対象とする研究に関する倫理審査委員会の承認を得て実施した(H16012号)。

    【結果および考察】安静値と調理全行程の心拍変動パラメータには,両グループとも有意差は認められなかった。一方,安静値と加熱調理中との間には,VR体験グループの標準偏差,変動係数,rMSSDにおいて有意差があり,安静値より加熱調理中は有意に低かった。これらの値の低下は,副交感神経活動が低下していたことを意味する。つまり,VR体験グループは事前にVR教材で調理前の安全確認,目視による火の管理,調理後の安全確認などを学習できたため,調理実習では緊張感を持って,火の扱いに集中して加熱調理を進めていたと推察された。

  • 清水 彩子, 丸山 智美, 河原 ゆう子, 伊藤 久敏
    セッションID: 2A-12
    発行日: 2019年
    公開日: 2019/08/26
    会議録・要旨集 フリー

    【目的】我々は,これまでに学校及び家庭における,「火」の教育の現状を調査し,学校・家庭外での教育支援プログラムが求められていることを報告してきた。そこで,火に慣れていない子どもが「どこでも楽しく安全に火の扱いを学べる」をコンセプトにVRを用いた火の学び教材を開発した。本報では,VR教材体験後に実際に火を使用した調理を行い,VR教材の学習効果を明らかにすることを目的とした。

    【方法】被験者は愛知県内の女子高校生22名とし,VR教材の題材と同様のオムレツ調理をガスコンロを使用して行った。調理時間の計測および調理中の行動のルーブリックによる評価を行った。評価項目は,調理前,調理中の安全確認や器具の正しい扱い方など10項目であり,被験者1名に対し,4〜5名の評価者によって評価した。調理時間,ルーブリック得点について,VR体験グループとVR未体験グループの平均値の比較を行った。本研究は金城学院大学ヒトを対象とする研究に関する倫理審査委員会の承認を得て実施した。(H16012号)

    【結果および考察】調理時間は,VR体験グループの方が有意に長かった。VR体験によって調理中の注意点を理解でき,工程を確認しながら慎重に調理を進行させたものと推察された。ルーブリック得点においても,VR体験グループの方が調理前,調理中の安全確認の得点が有意に高く,着火や火力調節に関する項目も高得点となる傾向にあった。これらの項目はすべてVR教材で学習可能であり,調理前の体験が,実際に火を用いて調理をする際の安全確認等に活かされていることが明らかとなった。VRを活用した本教材は,火の取り扱いに関して一定の学習効果を得られることが示唆された。

  • 伊藤 久敏, 河原 ゆう子, 清水 彩子, 丸山 智美
    セッションID: 2A-13
    発行日: 2019年
    公開日: 2019/08/26
    会議録・要旨集 フリー

    【目的】これまでに学校及び家庭における「火」の教育の現状調査から,学校・家庭外での火の取扱いに関する教育支援プログラムが求められていることが分かった。そこで,「どこでも・楽しく・安全に火を学べる」を開発コンセプトにVRを用いた火の学び教材を開発した。本報では,開発したVR教材のコンセプトが実現できているかを検証・評価することを目的とした。

    【方法】2カ所で開催された一般公開イベントにて,合計で,10歳以上13歳未満の子供76名,13歳以上76名にVR教材を体験させ,アンケートを実施した。VR教材を体験した子供の保護者71名にもアンケートを実施し,結果を集計した。なお,13未満の体験者に関しては,事前に書面による保護者の同意を得た。

    【結果および考察】「どこでも学べる」に関し,イベント開催場所は大型複合商業施設とPR施設であり,「火」を使えない一般施設でも「火」の学び体験が実施できることを確認した。「楽しく学べる」に関し,難度評価には年代間に差はなく,VR教材体験者全員から楽しかったという回答を得た。「安全に学べる」に関し,全体の80%以上が火を使った料理をする際の注意点を理解できたと回答し,保護者の92%から火を扱えない子どもの調理実習を安全に運営・管理していくことに役立つという回答を得た。また,保護者及び20代以上体験者のうち96%からVR教材のコンセプトへの賛同を得た。したがって,当該VR教材はコンセプト通りの機能を有すると考えられた。今後は,当該VR教材の体験活動を増やし,火の学びに対する認知を拡大していく。

  • 古本 美栄, 中島 肇
    セッションID: 2B-1
    発行日: 2019年
    公開日: 2019/08/26
    会議録・要旨集 フリー

    【目的】千葉県匝瑳市の指定文化財である大浦ごぼうは,成田山新勝寺に全国から訪れる参拝者へ精進料理の一品として調理されている。この大浦ごぼうの特徴は直径10cm程と太く,内側が空洞になっており,長さは60cm〜1m程ある。一度,植えると5年は同じ場所では栽培できず多量の養分が必要であるといわれる。一般的なごぼうに比べ,厚い皮ごと食すため下処理が必要である。大浦ごぼう下茹でに適した調理法を物性面から評価した。また,ごぼうの機能成分の一つであるクロロゲン酸についても予備検討を行った。 

    【方法】200ml容ビーカーに,5種類の溶液(蒸留水,1%食塩溶液,5%食酢溶液,0.3%重曹溶液,1%糠溶液)を100mlずついれ沸騰湯浴中で加熱を行う。ごぼうは,たわしでよく洗い泥をおとし,厚さをそろえ3枚30g入れた。経時的に1枚ずつとりだし,TA XT Plus(TA社)を用い,5mmのステンレス製プランジャーを用い,80%圧縮率で測定した。また,それぞれの茹でた溶液を採取し,高速液体クロマトグラフィーにてクロロゲン酸を測定した。

    【結果および考察】0.3%重曹では破断応力が低下したが,ごぼうの一部が緑色に変色した。緑色への変色は外皮部分からよりも,内腔部分から起こっていた。今回,ごぼうを2時間まで茹でたが,重曹以外は水と破断応力には差が無く,ゆで汁に灰汁がでてくる様子はみられなかった。また,HPLC測定の結果,この緑変はクロロゲン酸の変色であることを確認した。成田山新勝寺で調理担当者にヒアリングを行ったところ,現在では水茹でを行っているとのことであった。水茹で法は大浦ごぼうの軟化に有用であることが示唆された。

  • 上田 由香理, 日笠 有理, 冨田 文代
    セッションID: 2B-2
    発行日: 2019年
    公開日: 2019/08/26
    会議録・要旨集 フリー

    【目的】障害者入所施設の機能として退所後の地域生活,障害者支援施設への移行に向けた「自立支援」が求められている。知的障害児は健常児に比べて肥満である割合が高いことから,生活習慣病予防の観点からも自ら食事をつくる力の習得が重要である。そこで,障害児入所施設の軽度知的障害児を対象に,調理学習を実施し,評価した。

    【方法】1)対象:福祉型障害児入所施設に在籍する15〜17歳の知的障害のある男児12名 2)教育実施者:施設の管理栄養士1名 3)実施時期:2019年1月〜2月 4)実施内容:対象児を2名ずつ6回に分け調理実習を実施した。献立は「ごはん,味噌汁,納豆(市販食品を使用),キャベツの浅漬け」であり,管理栄養士がテキストを用いて作り方を説明後,対象児が各自レシピを見ながら調理した。5)評価方法:調理風景をビデオ録画により記録したデータをもとに,調理過程ごとに管理栄養士の支援方法について分析した。評価は「0:できなかった」「1:プロンプト(直接手をとって教える)」,「2:モデリング」「3:ジェスチャー」「4:直接言語教示」「5:間接的言語教示」「6:支援なしでできた」の7段階に分類した。

    【結果および考察】1)最も支援を必要とした作業は,浅漬けの「適切なしぼり具合を見極められる」であり,直接言語教示が83%であった。2)「浅漬けの野菜をボウルに移す」作業は75%の児が自分でできた。3)「みそ汁の火加減を調節する」ことを自分でできたのは25%であった。

  • 渡部 真子, 鈴木 彩日, 松村 知歩, 水 梨恵, 石橋 ちなみ, 岡田 玄也, 杉山 寿美
    セッションID: 2B-3
    発行日: 2019年
    公開日: 2019/08/26
    会議録・要旨集 フリー

    【目的】戦国期毛利氏の食に関しては,1549年に毛利元就が元春,隆景を伴い大内義隆を訪問した際に毛利氏が用意した6回の饗応献立が「元就公山口御下向の節饗応次第(以下,饗応次第)」に記されている。また,毛利氏の家臣,玉木吉保が当時の食材や調理法を「身自鏡」に記している。我々はこれまでに「饗応次第」において,雁や雉に加え,白鳥や鶴,獺が供されていたこと,「身自鏡」において調理法のみでなく,青黄赤白黒の視点が記されていること等を報告している。本研究では,「饗応次第」の献立再現を通して,当時の食について考察した。

    【方法】「饗応次第」の献立再現では,料理のレシピ(食材量,調理法,盛り付け,器等)の決定が必須である。そこで「饗応次第」「身自鏡」をさらに読み解くとともに,吉川元春館跡発掘調査(記録,出土遺物),同時期の料理書である「大草家料理書」,「明応九年三月五日将軍様御成雑掌注文」からの再現事例等を確認し,「饗応次第」に記された6回の饗応食のうち折敷や器が記された三月五日の饗宴献立の再現を試みた。

    【結果および考察】「饗応次第」には十二文あしうち,三度入り,小中等と記され,上記発掘調査において側板0.5cm程度の足付折敷,6〜8cmの土師器皿が多く出土されていることから,食材量は器の大きさに併せて決定した。また,当時の饗宴は食さないとの解釈もあるが,白鳥や鶴等の渡り鳥や,鷹のものと思われる獺等,極めて貴重な多様多種の食材が30〜35人分が用意されていることから食されたと解釈した。再現した献立にはぞうに等の儀礼的な料理がある一方,料理の組み合わせや順序への配慮がうかがえた。今後,当時の人々の食への価値観等も含め,検討したい。

  • 山﨑 一諒, 池内 ますみ, 上中 登紀子, 奥田 展子, 澤田 崇子, 志垣 瞳, 須谷 和子, 長尾 綾子, 花﨑 憲子, 升井 洋至, ...
    セッションID: 2B-4
    発行日: 2019年
    公開日: 2019/08/26
    会議録・要旨集 フリー

    【目的】近年,食文化の継承,健康,食育等,様々な方面から和食が見直されている一方で,我々の食生活は多様化の一途をたどっている。本研究は,和食の代表的な調理法である煮物に関する実態を継続して調査することにより,経時的な変化の動向を把握して食育や調理教育の方向性を検討し,煮物を中心とした和食の継承と進展に有用な知見を得ることを目的とした。

    【方法】2018年度8月-3月,関西地区の一般家庭における調理担当者を対象に留め置き法でアンケート調査を実施した。配布数824に対して,有効回答数は573(有効回答率69.5%)であった。調査項目は,「好きな料理様式」,「よく作る料理」,「食事作りに要する時間」等,調理全般および煮物を「食べる・作る・買う頻度」や,「よく作る煮物」,「使用するだし・調味料」等,煮物調理全般に関するものである。得られた結果は,年齢区分による比較またはこれまでの実施結果との比較を行った。

    【結果および考察】好きな料理様式では,全体の64.4%が和風料理を最も好きな料理様式として選択した。30歳代以上では,いずれの年齢区分においても和風料理が約60%以上を占めていたのに対し,10・20歳代では和風料理47.6%,洋風料理44.4%だった。好きな料理,よく作る料理として煮物を選択した割合は,それぞれ24.3%,23.1%であり,いずれも2012年と同程度だった。年齢区分別では,10・20歳代では11.3%,6.8%であったが,70歳以上では53.8%,50.0%であり,年齢区分が上がるにつれて高くなる傾向がみられた。よく作る煮物は,肉じゃが,おでん,かぼちゃの煮物,大根の煮物,魚の煮つけの順であった。

  • 山口 智, 坂本 由里子, 西田 毅, 金子 元, 山田 渉, 山本 直之, 森光 康次郎, 石田 正彦, 島本 国一
    セッションID: 2B-5
    発行日: 2019年
    公開日: 2019/08/26
    会議録・要旨集 フリー

    【目的】既存品種の大根に含まれる 4-メチルチオ-3-ブテニルグルコシノレート(4MTB-GSL)はたくあん臭や黄変の原因となり,加工食品の製品品質上好ましくない場合がある。この度,4MTB-GSLを含まずたくあん臭が生じない初めての大根品種「サラホワイト」が開発され,新たな加工品への応用が期待されることから,ロングライフサラダへの加工適性を先駆けて評価した。

    【方法】「サラホワイト」と既存の主要品種を用いて,水分,糖の成分分析をおこなった。また,4MTB-GSLより生じるたくあん臭を,生成したメタンチオール量の代替測定より評価した。さらに,ロングライフサラダを作製し,大根の硬さ,たくあん臭について評価し,官能評価も実施した。

    【結果および考察】「サラホワイト」は既存の品種と比べて水分が1%程度低く,糖含量はやや多かった。また,メタンチオールはサラホワイトでは検出されず,たくあん臭が生じていなかった。ロングライフサラダに加工後も既存の品種と比べて硬く,たくあん臭は生じていなかった。官能評価をおこなったところ,既存の品種のロングライフサラダよりフレッシュ感があると評価され,好まれる傾向が見られた。

  • 島田 沙織, 石田 一晃, 石田 亘
    セッションID: 2B-6
    発行日: 2019年
    公開日: 2019/08/26
    会議録・要旨集 フリー

    【目的】近年,自然解凍冷凍食品の需要が高まっている。しかし,根菜類は凍結すると解凍時に離水を伴って食感が軟化,スポンジ化し品質が悪くなる。これは凍結により生成した氷結晶が成長し,組織を損傷することが原因だと知られている。我々は,これまでに液体窒素凍結が根菜の離水抑制や自然解凍後の食感の維持に効果があることを報告した。本研究では冷凍根菜の品質向上を目的に,液体窒素凍結より簡便なブライン凍結の有用性について検討した。

    【方法】根菜類(ニンジン,ゴボウ,ダイコン,ジャガイモ)を用いて凍結速度による品質の違いを評価した。各食材を一辺30mmの立方体形にし,喫食可能な硬さになるまでボイルした。放冷した食材をエアブラスト凍結(-40℃),ブライン凍結(-10,-20,-30℃)液体窒素凍結(-196℃)し,0〜-10℃に達する時間を測定した。10℃に設定した恒温機でサンプルの解凍を行い,食味,ドリップ量,破断強度を未凍結品と比較した。

    【結果および考察】ニンジンの凍結時間は,エアブラスト凍結では17分,ブライン凍結(-30℃)では3分であり,ブライン凍結の方がより凍結速度が速かった。しかし,ドリップ量,破断強度に差はみられなかった。食味においても差はなく,未凍結品と比較して食感の軟化とスポンジ化がみられた。凍結時間が数秒である液体窒素凍結では,食味,ドリップ量,破断強度ともに未凍結品に近い品質が維持された。自然解凍後の根菜類の品質向上のためにはブライン凍結以上の凍結速度が必要であると考えられた。

  • 山本 純, 井上 萌恵, 黒瀧 秀樹, 松元 一頼
    セッションID: 2B-7
    発行日: 2019年
    公開日: 2019/08/26
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    【目的】食品の見た目はおいしさの感じ方に及ぼす重要な要因の一つである。中食惣菜は,消費者の健康志向を取り入れた彩り豊かな野菜を含む商品が豊富にラインナップされている。しかし,このような惣菜食品は長時間店頭でディスプレイされることで商品中の緑色野菜の緑が退色し,見た目が著しく損なわれることが問題となっている。本研究では惣菜商品をイメージして緑色野菜の色調を維持する技術の開発を試み,イノシン酸二ナトリウム(IMP)に退色抑制効果を見出した。

    【方法】クロロフィルa(Chl a)-10%エタノール溶液にIMPを溶解し,光照射後のChl a残存率を吸光度より算出した。また,同様に調製したIMP添加Chl a水溶液及び,アスコルビン酸ナトリウム(V.C)添加Chl a水溶液にH2O2を添加し,暗所保存後のChl a残存率を算出した。IMPとV.Cの抗酸化能を,DPPHラジカル消去能活性測定及びH-ORAC法で測定した。緑色野菜をIMP配合水溶液でボイル後,光照射下で保存し,色調を目視及びハイパースペクトルカメラ(エバジャパン(株)NH-7)で評価した。

    【結果および考察】IMP添加Chl a水溶液の光照射後のChl a残存率は無添加より高かった。また,H2O2を添加した場合のChl a残存率はV.C添加よりIMP添加が高かった。しかし,DPPHラジカル消去能及びH-ORAC法にて測定したIMPの抗酸化能はV.Cと比較して低かったことから,IMPは抗酸化作用とは異なる機構でChl aの退色を抑制していると考えられた。IMP配合水溶液でボイルした緑色野菜類は,目視及びハイパースペクトルカメラにて,光照射後も無添加より緑色を保っていることが確認された。

  • 石川 伸一, 小室 綾菜
    セッションID: 2B-8
    発行日: 2019年
    公開日: 2019/08/26
    会議録・要旨集 フリー

    【目的】漬物においては,漬物の組織を破壊し,抽出して成分含量を測定する場合が多く,それらの空間的配置や分布を配慮しない場合が多い。本研究では,成分の濃度分布が十分に明らかにされていない野菜の漬物において,ハイパースペクトルイメージング技術を用い,成分の浸透を可視化することを目的とする。また,官能評価を行うことで,各種成分の浸透とおいしさの関係性を明らかにしていくことを目標とした。

    【方法】食塩(NaCl)溶液とL-グルタミン酸ナトリウム(GluNa)溶液を調製し,異なる色素を添加したものに,ダイコン,キュウリ,ハクサイを漬けた。それぞれの時間条件で漬けた試料の中心をカットし,断面をハイパースペクトルカメラで撮影したのち,画像解析を行った。画像解析ソフトを用いて,各成分の浸透率を求めた。また,(1)NaCl→GluNa,(2)GluNa→NaCl,(3)NaCl+GluNaの3つの条件で漬けた試料をサンプルとし,外観,香り,塩味,うま味,食感,総合評価を5段階評価で官能評価を行った。

    【結果および考察】NaCl,GluNaの各成分単体の浸透については,どの野菜においても溶液濃度および漬け時間が増すにつれて,浸透が進んでいる傾向がみられた。NaCl,GulNaの二つの成分を交互に漬けたダイコンとハクサイのサンプルでは,解析画像および浸透率の結果から,初めに漬けた成分よりも,後から漬けた成分のほうがより浸透していることが示された。また,官能評価の結果より,方法(1)のNaClで漬けたあとにGluNaで漬けたサンプルは,うま味が強いという結果が得られ,塩分含量も少ないことから減塩化に役立つ漬け方であると考えられる。

  • 湯浅 正洋, 上野 真由子, 川邊田 晃司, 森川 真帆, 石見 百江, 松澤 哲宏, 冨永 美穂子
    セッションID: 2B-9
    発行日: 2019年
    公開日: 2019/08/26
    会議録・要旨集 フリー

    【目的】新タマネギの葉は通常, 出荷前に切り取られて廃棄処分されている。 演者らは, これまでに, 新タマネギ葉はコネギに近い呈味を持つことや, コネギと同等以上の抗酸化能を示すことを明らかにしてきた。 以上より, 新タマネギ葉は処分せず, 食品として利用する価値があると考えられるが, その利用法について詳細に検討した例はない。 本研究では, 新タマネギ葉の呈味特性を再検討すると共に, 有効利用法の1つとして, その料理をコネギ料理に準じて調製した。

    【方法】新タマネギ葉は兵庫県淡路市産の戎珠, 極早生種とした。 試料は2019年2月に収集し, 真空凍結乾燥法により乾燥させた。 呈味特性は, 味覚応答(味認識装置)および糖組成を測定した。 また, 茹でた葉を用い, 女子学生を対象に官能評価を行った。 料理はコネギ料理に準じて調製し, 官能評価を行った。 すべての項目で, 同時期に収集したコネギと比較し, その特性を評価した。

    【結果および考察】新タマネギ葉の味覚応答は, コネギと比べ, 苦味雑味および苦味が低値を, うま味, 塩味, 渋味刺激および旨味コクが高値を示した。 グルコース, フルクトースおよびスクロース含量には, 両者間で違いはみられなかった。 官能評価では, 茹でた新タマネギ葉はコネギと比べて色がやや悪いと評価されたが, 食感や味に関する項目や総合評価に差は認められなかった。 味覚応答からは, 新タマネギ葉とコネギの呈味特性は異なることが示唆されたが, ヒトが食べた場合の味や食感については, 両者間でほとんど差がないと考えられる。 以上の結果を踏まえ, コネギ料理である辛子酢味噌和えとチヂミを新タマネギ葉で調製し, 官能評価を行ったので, その結果についても報告する。

  • 秋元 真一郎, 迫井 千晶, 五領田 小百合, 山田 研
    セッションID: 2B-10
    発行日: 2019年
    公開日: 2019/08/26
    会議録・要旨集 フリー

    【目的】我々は2017年度より,日本ジビエ振興協会とともに農林水産省の鳥獣利活用推進事業の一環として,プロ向けジビエ料理セミナーを実施している。野生鳥獣肉の消費拡大のためには,料理人による安全でおいしいジビエ料理の普及が不可欠だからである。2018年10月厚生労働省HPに掲載された「野生鳥獣肉のQ&A」において,食肉による食中毒防止のために必要とされる中心温度75℃1分間(以下温度はすべて中心温度)と同等とされる加熱条件が公開された。このより低い温度×時間で調理したシカ肉のおいしさを評価することで,75℃1分では実現できなかったジビエのおいしさの可能性を検証した。

    【方法】75℃1分,68℃5分,65℃15分で加熱した肉について,理化学的な測定により旨味成分,旨味強度,テクスチャー,圧搾肉汁率の各項目の数値データを得た。また本校西洋料理教員をパネルとして官能検査を行い,ジューシー感,やわらかさ,うまみ,臭み,色などを評価し,上記の理化学的な測定値と合わせて総合的なシカ肉のおいしさの評価を行った。

    【結果および考察】テクスチャーについては低温であるほどやわらかいと評価されたが,旨味成分や旨味強度においては同様の温度との相関は見られなかった。また,官能検査においても75℃1分と比べれば,より低い温度の加熱条件で調理した方がおいしいと評価されたが,これ以外の加熱条件では同様の結果にはならなかった。その理由としては,たんぱく質の熱変性には温度だけでなく時間も関係すること,人のうまみの感じ方が咀嚼によって変わることなども考えられる。ジビエ肉の安全でおいしい加熱法の確立には,加熱条件や官能検査条件をさらに精緻化して検証を継続する必要がある。

  • 石澤 薫, 福岡 美香, 吉江 由美子, 松尾 悠, 酒井 昇
    セッションID: 2B-11
    発行日: 2019年
    公開日: 2019/08/26
    会議録・要旨集 フリー

    【目的】私たちは普段ものを口にするとき,色・つやと言った視覚的な判断とともに,匂い・香りなど嗅覚によって安全性を確認している。また,これらは食品の美味しさをもたらす重要な要素とも言える。本研究では鶏肉の焼き調理を対象として,焼成途上の表面温度,焼き色の変化から焼成段階の指標を定め,その指標をもとに香気成分分析を行った。各焼成段階の香気成分の特徴を捉え,焼き色と関連付けて評価した。

    【方法】鶏ささみ肉を所定の大きさに切り,上火式電気魚焼き器で焼成した。この時,デジタルカメラで試料表面の焼き色の変化を,赤外線サーモグラフィーで表面温度の変化を30秒ごとに記録した。焼き色の画像のRGB値をL*a*b*値へ変換し,この値から試料の焼け具合を評価した。焼き色の結果から焼成段階を特定し,GCMSを用いて生試料とともに焼成段階ごとの香気成分分析を行った。また,人間の鼻の感覚を模した匂い識別装置を用いて匂い全体を評価した。

    【結果および考察】焼き色を指標として焼成過程は,タンパク質変性期,褐変反応期,炭化反応期に分けられた。生および各焼成段階における試料の香気成分を分析したところ,生ではごく微量であったヘキサナールがタンパク質変性試料で急激に増加していることが確認できた。さらに焼成が進み褐変の範囲が広がるにつれてヘキサナールは減少し,ヘプタナールやピロールなど検出される香気成分が増え,匂いがより複雑に混ざり合っていることが示された。また匂い識別装置の結果から焼成が進むにつれて有機酸系,アルデヒド系の匂いが強く感じられることが分かった。GCMSの定量結果と匂い識別装置の結果を照らし合わせ,焼き加減ごとの香りに直接関わる成分を特定した。

  • 古川 裕子, 福岡 美香, 吉江 由美子, 松尾 悠, 酒井 昇
    セッションID: 2B-12
    発行日: 2019年
    公開日: 2019/08/26
    会議録・要旨集 フリー

    【目的】焼き魚はグリルの片付けや臭いにより家庭での調理は敬遠されるため,調理済み製品としての需要が高い。販売店での調理には技術や経験が必要であるため,自動的に最適な加熱調理のできる機器の開発が求められている。本研究では,焼き魚調理過程で発生する匂いの変化に着目し,調理過程での焼き色の変化とそれに伴い発生する匂いの相関関係の追及,最適な加熱調理の指標となる香気成分の特定を目的とする。

    【方法】愛媛県産の養殖マダイフィレを上火式電気魚焼き器で焼成し,その過程をデジタルカメラ,赤外線放射温度計を用いて撮影し,画像解析を行うことでL*a*b*値,表面温度を取得した。表面の焼き色から焼成段階を決定し,GCMSを用いたそれぞれの段階の香気成分の分析を行った。また,匂い識別装置を用い,試料全体のにおいを捉えた。

    【結果および考察】試料表面の焼き色は,焼成初期においてタンパク質変性が起こることでL*値が上昇し,焼成が進むにつれ低下した。褐変が開始するとa*値が上昇し,焼成が進むにつれて横ばいとなり,炭化が進むにつれ,L*値が低下した。GCMSによる成分分析では,魚の脂質酸化に由来すると考えられるヘキサナールやペンタナールなどのアルデヒド類が検出された。これらの成分は,試料表面においてタンパク質変性が起こると増加し,褐変,炭化が進むにつれ減少した。また,ベンズアルデヒドなどのアルデヒド類やメタンチオールなどのメルカプタン類が検出され,褐変や炭化が進むにつれ増加した。これらは焼成時の香ばしい匂いに寄与していると考えられた。匂い識別装置の分析でも試料全体の匂いがアルデヒド系に類似していることがわかり,類似度はGCMSの定量結果と同じ傾向を示した。

  • 小泉 和子, 小泉 昌子, 和田 涼子, 峯木 眞知子
    セッションID: 2B-13
    発行日: 2019年
    公開日: 2019/08/26
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    【目的】近年,高齢者の咀嚼・嚥下能力低下に応じた高齢者食の開発が進んでいる。エスプーマ法による泡状食利用を考え,主菜として魚料理を検討してきた。今回は,その調製に用いるクリームの温度が調製品にどのような影響を与えるのか調べた。

    【方法】生クリーム,植物性油脂クリーム,豆乳クリームの3種のクリームを室温(25℃)と冷蔵(5℃)にし,エスプーマ法により泡状のクリームを得た。また予備実験より,泡の形成に効果があると分かった味噌,乾燥卵白をクリームに添加し泡状のクリームを得た。これらについて,抽出後30分間10分ごとに比重,離水量を測定,泡の状態を見るために抽出直後のクリームをスライドガラスに塗抹して光学顕微鏡で観察し,クリームの温度が泡の形成に及ぼす影響を調べ,エスプーマ法による魚料理に影響を与えるか同様の方法を用いて調べた。

    【結果および考察】生クリームにおいて,冷蔵クリームの比重は室温クリームより有意に小さかった。他2種のクリームは,温度の違いによる有意差はみられなかったが,室温放置後は冷蔵クリームの比重が有意に小さかった。離水量は,生クリーム,植物性油脂クリームにおいて,冷蔵クリームが有意に少なかった。豆乳クリーム,味噌添加の植物性油脂クリームはいずれも離水がみられなかった。クリームの冷蔵により,エスプーマ法により得た泡は起泡性,安定性が向上した。調製した魚料理もこの結果と同様であった。クリームの温度はエスプーマ法による泡状食の起泡性,安定性に影響を及ぼし,クリームの温度が低い方がエスプーマ法に適していた。

  • 平林 眞弓, 岡崎 尚, 谷本 昌太
    セッションID: 2C-1
    発行日: 2019年
    公開日: 2019/08/26
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    【目的】国内で漁獲されるムール貝は,主に活魚として出荷され魚介料理の素材として使われている。ムール貝は,含まれるエキス成分が料理のおいしさに寄与していると考えられるが,そのエキス成分に関する報告は少ない。発表者らは,漁獲直後のムール貝エキス成分の貯蔵や季節変動について検討している。そこで,今回の発表では,旬と言われている夏季漁獲されたムール貝のエキス成分について報告する。また,ムール貝煮出し液の旨味を強化する方法についても検討した。

    【方法】夏季(8月末)に漁獲されたムール貝を用いて,エキス成分の分析を行った。ATP関連物質および有機酸は,PCA抽出液をHPLCおよびキャピラリー電気泳動装置によってそれぞれ測定した。アミノ酸の分析はスルホサリチル酸抽出液を用い,UPLCによって測定した。アミノ態窒素は,CNS元素分析装置を用いた。官能評価:ムール貝の煮出し液にグルタミン酸Na(MSG),核酸系調味料(核酸,IMP:GMP=1:1)を添加し,「味の強さ」及び「おいしさ」を評価した。

    【結果および考察】主なアミノ酸の含量は,GluとAspがそれぞれ94.4mgおよび53.8 mg/100g,AlaとGlnがそれぞれ135.3mgおよび125.9mg/100g,Argは167.7 mg/100gであった。IMPとAMPはそれぞれ1.5mgおよび10.6 mg/100g,コハク酸は32.7 mg/100gであった。ムール貝の煮出液にMSG又は核酸を添加したとき,味の強さは「核酸添加」,「MSG添加」,「無添加」の順に強かった。したがって,IMP又はGMP,MSGを多く含む食材とムール貝を組み合わせるとうま味が強くなることが示唆された。

  • 久下 貴紀, 平野 勝紹, 栃尾 巧
    セッションID: 2C-2
    発行日: 2019年
    公開日: 2019/08/26
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    【目的】製餡工程において小豆の煮熟は最も重要な工程であり,餡の歩留まりおよび品質に大きな影響を及ぼす。豆は産地や気候条件により性質が大きく変わる作物であるため,煮えにくいものもあり,煮熟促進剤として重曹やポリリン酸塩が使用される。重曹等の使用により煮熟が短時間になる一方で,小豆の風味が損なわれたり,渋きり液に栄養素が流出したりするという課題がある。渋きり液は水溶性タンパク質や可溶性デンプン質等の有機物に富み,排水に負荷がかかっている。特異的に植物中のセルロースを分解する酵素であるセルラーゼは煮熟促進剤としての効果が期待されるが,セルラーゼを小豆の煮熟に用いた報告は少ない。そこで本研究では,小豆の煮熟促進剤としてセルラーゼを用いることによる小豆の性状変化や渋きり液の栄養素の評価等を行った。

    【方法】重曹,セルラーゼ(CelluclastR:ノボザイムズ社)を天津小豆に対して1%添加し,小豆に対して300%の加水を行い,2回の渋きり工程を伴う煮熟を行った。得られた小豆については破断強度測定により硬さを,官能評価により小豆の風味を評価した。また,得られた渋きり液については性状として着色度,pHを,渋きり液中に溶出した栄養成分として液中のタンパク質量を,排水負荷の指標として残渣の量を測定した。

    【結果および考察】酵素添加区は無添加区に比べ小豆の軟化が顕著であり,小豆の風味は重曹添加区よりも風味を強く残し,無添加と同等の評価であった。酵素添加区の渋きり液は重曹添加区と比較し着色が少なく,ポリフェノールの流出が低減されていると推測された。また,渋きり液中の残渣の量も少なく,重曹添加区に比べ渋きり液中の有機物が有意に低下することが示された。

  • 長野 隆男, 栗原 新
    セッションID: 2C-3
    発行日: 2019年
    公開日: 2019/08/26
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    【目的】おからは,豆乳や豆腐製造の際に生じる副産物であり,食品としての利用は進んでいない。近年,ナノレベルまでの微粒子化が可能となった。本研究では,おからの微粒子化を行い,物性改良,アミラーゼ活性阻害,ヒト腸内細菌優勢種による短鎖脂肪酸の産生を検討した。

    【方法】おから試料には脱脂おから,セルロース試料にはα-セルロースと微結晶セルロース(MCC)を用いた。微粒子化は,スターバースト(スギノマシン)を使用した。粒度径分布測定にはLA-920(ホリバ),粘度測定にはMCR 702 Twin Drive(アントンパール)を用いた。アミラーゼ活性阻害は,コーンスターチに対して3倍量の試料を加え,α-アミラーゼを37℃で反応させた。酵素活性は,遊離したマルトース量を核磁気共鳴分光分析(NMR)で求めた。短鎖脂肪酸の産生も,NMRを用いて定量した。

    【結果および考察】粒度径分布のメジアン径は,セルロースが73.7 mm,MCCが22.1 mm,微粒子化おからが6.6 mmであった。セルロースとMCCは水に沈殿したが,微粒子化おからは高い粘性を示して水に分散した。90分反応後のアミラーゼの活性は,セルロースにより20 ± 1%,MCCにより41 ± 3%,微粒子化おからにより50 ± 5%阻害された。微粒子化おからを培地に0.5%加えて,24時間32種のヒト腸内細菌優勢種の培養を行ない,培養液中の短鎖脂肪酸を定量した結果,対照区と比較してR. intestinalisの酪酸産生が1.6倍と有意に増加した(p = 0.28)。従って,おからの微粒子化によるアミラーゼ活性阻害とR. intestinalisの酪酸産生を利用した肥満予防食品の開発が期待できる。

  • 柿本 健一, 岡本 裕樹, 木村 功, 多田 早希, 井上 賀美
    セッションID: 2C-4
    発行日: 2019年
    公開日: 2019/08/26
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    【目的】香ばしさはフライ食品のおいしさに寄与する重要な要素である。フライ油の廃油基準は「弁当及びそうざいの衛生規範」で定められており,酸価,カルボニル価,発煙点が指標として用いられている。しかしながら,廃油基準に未達の油で調理されたフライ食品であっても,香ばしさを感じ難い場合がある。本検討では,フライ食品のおいしさとの関連が深い香ばしさに着目し,香ばしさと相関のある油脂の劣化指標の推定を行った。

    【方法】劣化度の異なる油でとんかつを揚げ,専門パネルによる官能評価により喫食前と喫食中の香ばしさの評価を行った。評価方法は100 mmスケールのVAS法による記述分析とした。また,調理に用いた油脂の分析を基準油脂分析法に従い行った。その後,相関分析にてとんかつの香ばしさと関係のある劣化指標を推測した。

    【結果および考察】官能評価の結果,食前と喫食中の香ばしさとの間に正の相関を示したが,一部サンプルの乖離がみられた。そこで,喫食前の香ばしさと油脂の劣化指標で相関分析を行ったところ,相関は確認されなかった。一方,喫食中の香ばしさと油脂の劣化指標では,極性化合物量とカルボニル価で二次関数的な関係がみられた。つまり,喫食中の香ばしさを引き出すには,油脂状態の適正な管理が重要であることが示唆された。以上より,「弁当及びそうざいの衛生規範」で定められた指標に極性化合物の指標を加えることで香ばしいフライ食品を提供できる可能性があると考えている。

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