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健康志向ブームにより、簡便操作の加工玄米が普及しつつある。電子レンジ加熱のレトルトタイプと電気炊飯器で炊ける早炊きや発芽玄米などの種類があり、発芽玄米は、ウエットタイプから水分を白米に近似させた乾燥タイプが多くなった。そこで、発芽玄米(以後玄米を略す)の種類による食味の違いや特徴などの検討を行った。試料は乾燥発芽、籾発芽、ウエット発芽、早炊き、レトルトの5種類とした。官能検査や飯内部の加熱状態の電子顕微鏡観察を行い、テクスチャーや還元糖量なども測定した。その結果、乾燥発芽間では、総合評価に有意な差はなかったが、硬さとうま味に有意差がみられ、水分の多い乾燥発芽Aの評価が高かった。乾燥発芽Aは、籾発芽やウエット発芽との比較では有意に好まれ、電子顕微鏡観察では、乾燥発芽は細胞の形態を残しておりウエット発芽は澱粉粒が流れているのが観察された。