抄録
加熱により赤く着色するという特徴を持つ「ツタンカーメンの豆」の一般成分として、水分、タンパク質、脂質、灰分、ミネラル、遊離アミノ酸、食物繊維について定量したところ、その含有量はエンドウとほとんど差がなかった。本試料1gから加熱抽出で得られる色素成分のDPPHラジカル捕捉能は約0.3m molのトロロックスに相当し、エンドウよりもかなり高かった。本試料の調理加工食品への利用方法として、製あん適性について検討を行った。製あん適性については、豆を加熱し、あん粒子の状態にした際に細胞外に流出したデンプン量を測定し、小豆その他あん原料豆との比較を行い、検討した結果、本試料のあん原料としての利用の可能性が示唆された。