本分科会では、フライ油の使用限界を官能的に判定する方法として、風味点数を用いる方法を確立してきた。風味点数を判定する指標として、寄与が大きいと考えられるCOVを取り上げ、COVの差によって油を判別することが可能なのか、官能検査によって確認した。その結果、COVが新鮮油に近いレベル(COV<10)においては、COVの微妙な差まで判別できていた。しかし、COVが高くなると(COV>15)、COVの違いにより油が判別できなくなった。特に、風味点数3付近のCOVでは、ほとんど判別できなかった。以上の結果から、COV約10以下程度の劣化度合いでは、油の劣化判定に対するCOVの影響が大きいが、それ以上劣化が進むと、風味点数の判定に、他の要因が関与する可能性が示唆された。