日本調理科学会大会研究発表要旨集
平成15年度日本調理科学会大会
セッションID: 2C-p8
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チンゲンサイのクロロフィル、色調およびビタミンCの保存・加熱調理における安定性
*酒向 史代杉村 留美子
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抄録
【目的】これまでに、市販中国野菜のタアサイ、チンゲンサイのクロロフィル量と色調、ビタミンCの各種調理後の変化を検討してきた。本研究では、チンゲンサイのクロロフィルと色調の安定性について、保存と加熱調理との関連性を検討した。また、ビタミンCの熱安定性を検討するために、各種調理における反応定数を算出した。【方法】調理方法は水ゆで、塩ゆで、炒め、電子レンジ加熱とし、保存方法は室温(25℃)、冷蔵(8℃)、冷凍(-18℃)とした。クロロフィルの定量は85%アセトンで抽出後、エーテル転溶して比色し、L*、a*、b*値は色差計で測定した。ビタミンCの定量は、2,4-ジニトロフェニルヒドラジン法で行った。【結果】水ゆでのゆで水のpHの変化(pH4.0、5.3、7.0)によってL*値で有意差があった。1、4、7日間冷蔵保存した後、水ゆで、電子レンジ加熱を行った結果、クロロフィル量の残存率では有意差はなかった。1、3日間室温保存した後、水ゆで調理をした場合も同様の結果であった。3種の調理をした後、2日間冷蔵した場合の総クロロフィル量は、電子レンジ加熱をした試料での残存率の低下が顕著であった。しかし、a*値の変化は水ゆでの方が大きかった。3種の調理をした後、30、60、90日間冷凍保存をした試料では、総クロロフィル量、色調ともに冷凍30日目までの変化が大きかった。調理時間を変えて3種の調理をした試料のビタミンC量を測定して、反応定数を算出した結果、水ゆでの総ビタミンCが16.7×10-4/secで最も大きくなった。また、これらの値をクロロフィルの値と比較すると、水ゆでで大きな差があった。
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© 2003日本調理科学会
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