日本調理科学会大会研究発表要旨集
平成17年度日本調理科学会大会
セッションID: 2E-a8
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口頭発表
電解生成水の調理への影響
*渡部 絵里香柿島 彩恵子左雨 彩綿貫 亜紀沼尻 さやか数野 千恵子
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抄録


【目的】電解水生成装置で生成されるアルカリ性水は調理に利用すると、調味料の浸透が早い、白米が軟らかく炊き上がるといわれている。また、酸性水は白米が白く炊き上がる。弾力のあるパンができるといわれている。そこで、日常、調理に使用する水に酸性水、アルカリ性水および水道水を用い大根、食パン、スパゲティー、寒天などを調理・調製してその影響を検討した。
【方法】大根の煮付けは下茹でし、試料水に調味料を加えた煮汁で1時間煮た後、常温で1時間放置したものを試料とした。外側から1cmの部分と内側(中心部)に分け、破断強度、ショ糖含有量、塩分濃度を測定した。食パンは各試料水に原材料を加え、製パン器で捏ね、焼いたのち破断強度を測定した。スパゲティーおよび寒天は常法で調理した後、破断強度を測定した。なお、いずれも調理済み食品はそれぞれ数名で味覚を確認した。
【結果】煮大根については、破断荷重は外側、内側共にアルカリ性水が最も小さく、ついで水道水、酸性水の順で大きくなった。ショ糖および塩分の浸透はアルカリ性水、水道水、酸性水の順であった。試食による評価ではアルカリ性水では軟らかく、酸性水ではかたかった。食パンの破断係数は酸性水とアルカリ性水はほぼ同様で水道水はやや硬かった。しかし、翌日になると水道水で調製した物が硬くなり、使用水により差が見られた。
スパゲッティーの調理直後はアルカリ性水がやや軟らかく、腰が足りない傾向が見られ、酸性水では弾力があった。寒天ゼリーはアルカリ性水を用いた方はやや軟らかく、おいしく感ずる人が多かった。

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