日本調理科学会大会研究発表要旨集
平成17年度日本調理科学会大会
セッションID: 2A-a1
会議情報

口頭発表
食事マナーに関する実態調査(第1報)
女子大生とその親にみる伝承の実態
*今井 悦子土屋 京子増田 寛子渡部 沙織和田 奈央子
著者情報
会議録・要旨集 フリー

詳細
抄録


目的 今の若者はマナーが悪い,親のしつけができていないなどと言われる。そこでマナーの実態と伝承の程度等を明らかにすることを目的とし,食事マナーを中心に女子大生とその親を対象に質問紙調査を行った。ここでは伝承を中心に報告する。
方法 2003年10月から2004年5月,学生1,206人とその親1,028人に対し,集合・託送・郵送調査法を用いて質問紙調査を行った。食事マナーに関する内容は,45項目のマナーについて,過去:子供時代にしつけられた程度,現在:今実践している程度,将来:自分の子供にしつけたいか(学生),またはしつけたか(親)の程度を4段階で聞いた。結果の解析は,回答の数字を点数化し,SPSSを用いて多重比較,相関分析,主成分分析を行った。
結果および考察 回収率は学生86%,親56%であった。全45項目の平均点を求めたところ,親の将来と学生の過去の間には有意差がなく,両者の45項目間の相関係数も高かったことから,この世代間ではしつけはほぼ伝承されたと推察された。また学生の平均点は,将来が過去や現在より有意に小さく(きびしい),次世代への伝承の可能性も示唆された。しかし現在の平均点では学生と親間で有意差があり,親の方が望ましいマナーを実行していた。各人の点数をもとに主成分分析を行い45項目を分類したところ,7主成分が抽出された。 親の将来と学生の過去について7主成分の主成分得点を比較したところ,第1主成分(音と口の動き)と第7主成分(食べる順番)は親から学生に伝わっていない可能性,第3主成分(手の動き)は親の考える以上に伝わった可能性が示唆された。

著者関連情報
© 2005日本調理科学会
前の記事 次の記事
feedback
Top