日本調理科学会大会研究発表要旨集
平成17年度日本調理科学会大会
セッションID: 2B-a4
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口頭発表
玄米を用いたリゾットの物性および食味特性
*反町 秀子平尾 和子濱西 知子高橋 節子
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抄録
【目的】玄米はぼそぼそ感やのみ込みにくい食感があるため、加水量の多いリゾットにおける利用を試みた。玄米は吸水が遅く常温では2時間でも15%程度しか吸水しないため、玄米を茹でてから炒めるという操作を行い調理時間の短縮を図った。2種の玄米リゾットを調製し、物性ならびに食味特性について精白米と比較した。またリゾットの冷凍保存を想定し、-20℃で7日間凍結した試料を電子レンジ解凍した試料についても物性ならびに食味特性について検討を行った。
【方法】試料玄米は「たきたて」および「あきたこまち」を用いた。玄米リゾットは洗米後沸騰水中で10分間茹でた後水切りして調製し、オリーブ油で2分間炒め、スープを加えて弱火で20分間加熱後、さらに120回/分で手動攪拌加熱を5分間続けた。粘度測定は東機産業(株)製のTV-33型粘度計を用いた。物性は(有)タケトモ電機製の改良型テンシプレッサーを用いて、調製直後および7日間凍結後電子レンジ解凍した試料について測定を行った。官能評価は評点法により本学学生ならびに教員の計10名をパネルとし2回繰り返し行った。
【結果】調製直後の硬さは「たきたて」の玄米リゾットが高い値を示し、精白米2種は同程度の硬さで玄米リゾットに比べて低い値を示した。電子レンジ解凍した「あきたこまち」の玄米は4試料中最も軟らかく、こしは最も高い値を示した。官能評価において、2種の玄米リゾットはともに精白米リゾットに比べ、色・味・香り・硬さがあると評価され、嗜好においては「たきたて」の玄米リゾットが最も好まれた。凍結後電子レンジ解凍した「たきたて」の玄米リゾットは、嗜好において調製直後の「あきたこまち」の玄米リゾットと同程度に好まれた。
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© 2005日本調理科学会
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