日本調理科学会大会研究発表要旨集
平成17年度日本調理科学会大会
セッションID: 2B-p7
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口頭発表
ダチョウ肉の嗜好に及ぼす調理法の検討
*峯木 真知子棚橋 伸子西念 幸江渡邊 康一
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抄録


(目的)ダチョウは鳥類最大の大きさで、草を食べ、人間とは競合しない動物である。その肉はコレステロールの少ない肉として紹介され、これからの健康嗜好にもあった新食料資源である。外食産業にも、ダチョウ肉は登場していることから、国産ダチョウ肉に適した調理法を検討するために、「茹で」「揚げ」加熱を行って実験した。
(方法)ダチョウ(アフリカンブラック種、茨城産、月齢18ヶ月)の生肉の腸骨腓筋(liofibularis, 以下ファンフィレ)と頭側腸骨腓骨筋(Iliotibialis cranialis, 以下フィレ)を用いた。いずれも、屠鳥後真空包装後、冷蔵輸送したものを持ち、各々2×2×1cm(約5g±0.2g)に切り、茹で・揚げ加熱を行って、その重量変化、PH、テクスチャーを測定し、官能検査を用いて、最適加熱時間を検討した。また、色・組織構造観察を行い、国産豚モモ肉を比較試料とした。
(結果)ダチョウ生肉の色は、豚モモ肉に比較して、L値が低く、a値が高く、明らかに赤かった。茹で加熱では、90秒加熱で全体に火が通り、元重量の83%に減少した。180秒加熱で70%の重量に減少し、硬くて食べにくかった。揚げ加熱では、60秒が適切でその以上の加熱した肉のテクスチャーは急激に大きく、硬くなった。ダチョウ肉の部位による重量変化およびテクスチャーの違いは少なかった。ダチョウの調理した肉の官能検査は、良い成績が得られ、特に揚げ加熱したものが好まれた。

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