日本調理科学会大会研究発表要旨集
平成22年度日本調理科学会大会
セッションID: 2P-36
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ポスターセッション
女子バレーボール部学生への栄養および調理指導による食意識と体組成の変化
*山本 有希粟津原 理恵平井 敦夫
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抄録
【目的】バレーボールは瞬発力と持久力を必要とする競技である。競技力を向上するためのボディバランスおよび筋力づくりには栄養管理が重要である。しかし大学生の食生活は不規則になりがちであり、日常的に運動量に見合った食事を摂取できる選手は少ない。そこで大学女子バレーボール選手が自らの食生活を正しく管理する支援法構築のために、調理指導の効果を検討した。
【方法】本学女子バレーボール部学生22名を対象として、2009年3月~2010年5月まで約2週間毎に体組成測定機器『In Body720』を使用し体組成を測定した。身体状況に問題のある対象者には2009年7月と2010年3月に食生活アンケートと7日間の食事調査を行った。これらの結果より対象者の食生活の問題点を整理し、「簡単野菜料理」の調理実習および栄養指導を行った。調理実習後には実習に関するアンケート調査、食生活アンケートおよび食事調査を行い調理実習の効果を評価した。
【結果】対象者は自己の体組成を確認することで食事内容を変える傾向にあったが、食事調査結果では、主食抜き、菓子のみの食事、低エネルギー食品の利用といった体重減量目的の偏った食事内容が多数を占めていた。対象者の野菜・果物類の摂取量は一様に極めて少なく、ビタミンおよび食物繊維の摂取不足が危惧された。疲労しやすく便秘になりやすいとの不定愁訴も多く聞かれたため、対象者の不足栄養素の摂取増量を栄養改善目標とし、安価で入手しやすい野菜を使用した「簡単野菜料理」の調理実習を行った。その結果、顕著な体組成の変化は認められなかったが、参加者全員が調理実習への定期的な参加を希望し、実習した料理を自宅で作るなど野菜類を積極的に摂取しようとする食意識の変化がみられた。
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© 2010日本調理科学会
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