日本調理科学会大会研究発表要旨集
平成22年度日本調理科学会大会
セッションID: 2P-40
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ポスターセッション
栃木県における初午の行事食
*芝崎  本実峯木 眞知子名倉 秀子
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キーワード: 行事食, 栃木県, 初午
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抄録
目的】栃木県は日本列島の中央よりやや北方にある内陸県で、首都東京から60~160_km_に位置する。気候は寒暖差が激しく、1日の気温の差が大きく、夏季には雷の発生、冬季には空っ風が吹く。食生活は、全国平均に比べやや塩分の摂取量が多いことが示されている。「調理文化の地域性と調理科学:行事食」における共同研究の一環として、栃木県における「五節句などの年中行事で供される食べ物の認知・喫食状況」について、アンケート調査を行ったので報告する。
方法】栃木県の中央部と県南の短期大学の学生、保護者、および一般成人を対象に、平成21年12月~平成22年3月に、日本調理科学会の調査票を用い、自己記入方式によるアンケートを実施した。
結果】調査票は300部が回収され、分析対象者の年齢は学生である10代、20代と50代が多くなった。2月の最初の午の日を初午とし,初午祭りが実施される。行事食として、「しもつかれ(すみつかり)」と赤飯が喫食される。初午の行事の認知度は70%、経験度では65%を占めた。また、「しもつかれ」の喫食経験は63%となった。赤飯の出現は5%とわずかではあるが、2種の料理を合わせて喫食する記述もみられた。「しもつかれ」の嗜好は、若年者より中年期以降が高く、さらに家庭で作る者の割合が多く占めた。全体的な傾向として、料理が冷たい状態で喫食される方が好まれていた。「しもつかれ」の材料は、塩鮭(頭)、大根、人参、油揚げ、煎り大豆、酒粕、塩、醤油の出現率が高く、1回に5~10kgを調理し、保存したり、近隣の方と一緒に、喫食する風習があることが分かった。
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© 2010日本調理科学会
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