日本調理科学会大会研究発表要旨集
平成22年度日本調理科学会大会
セッションID: 2P-47
会議情報

ポスターセッション
短大生の調理教育に関する研究
調理歴
*中村 喜代美新澤 祥恵
著者情報
会議録・要旨集 フリー

詳細
抄録
【目的】近年、調理の簡便化傾向が進む中で若年者の調理への関わりが希薄になっているが、短期大学における調理教育を考える一助とするため、短大入学生の調理歴についての検討を行った。
【方法】2007~2009年入学生(計254名)を対象とし、基本的な調理操作や料理51品目の調理歴についても質問した。調査は第1回目の授業時に調査用紙を配布、記入後即時回収した。なお、調査結果の検討にあたっては、一部、1994~1995年入学生(193名)との比較を行った。
【結果】1)「食卓の準備」などの簡単な家事は幼児期・小学校低学年から経験しているが、「包丁で食品を切断」などの複雑な家事は小学校中学年頃から経験していた。 2) 日常行う調理操作「ご飯を炊く」「乾麺を茹でる」などを経験している者は多いが、「青菜を茹でる」「だし汁をとる」「ホワイトソ-スを作る」などは経験者が少なくなった。 3) 簡単な調理操作は母親や祖母から習い、知識や技術を要するもの、手間のかかるものは学校で習得しているが、家庭外からのものも多くなる傾向であった。 4) 調理経験では若干作ることのできないものが増え、習得時期では低年齢化傾向がみられた。 5) 経年変化の少ないものは、調理経験が多い日常食と伝統食・行事食・和風料理など調理経験が少ないものにみられた。 6)経年変化の大きいものは、煩雑で技術を要する料理やあまり好まない料理であった。また、一部の料理では習得時期が早くなっていた。 7)調理歴は低くなる傾向の中で、簡単な洋風料理や菓子は幼児期~小学校中学年にかけて母親からの習得が増加した。 8)伝統的な和食では調理歴が低いばかりでなく、習得の情報源でも母親が減り、祖母が増えていた。
著者関連情報
© 2010日本調理科学会
前の記事 次の記事
feedback
Top