日本調理科学会大会研究発表要旨集
平成23年度日本調理科学会大会
セッションID: C2a-5
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ポスター発表
静岡県西部地域の食文化に関する研究(第2報)
 ~浜松地域における行事食~
*小嶋 汐美川上 栄子
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キーワード: 行事食, 食文化, 郷土料理, 浜松
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抄録

【目的】浜松市は、静岡県西部に位置し、東は天竜川、西は浜名湖、南は遠州灘、北は赤石山脈と四方を異なる環境に囲まれ、愛知県、長野県と隣接している。平成17年に12市町村が合併し、面積は全国2位の大きさで、人口80万人の政令指定都市である。温暖な気候を利用し、中国野菜やみかん、ウナギなど農水産物の生産量が多い市である。市は、平成19年に食育ボランティアの育成研修会を開催し、食育・食文化の伝承に力を入れている。本研究は、この研修会開催に当たり、事前に実施したアンケートを基にまとめた市の「地域の郷土料理・伝統食・行事食」の現状を報告し、特色ある郷土料理・伝統食を紹介する。
【方法】市が平成19年11月に開催した食育ボランティア中央研修会に参加予定の17グループの代表者に自記式アンケートにより調査し、回答のあった料理をまとめた。その中から特色ある郷土料理・伝統食を選択し、由来や調理方法を調べ、再現した。
【結果及び考察】回答された料理は、19種類であった。特色ある料理は、浜名湖に近い西区は「ぼく飯」、山間部の北区、天竜区は「浜納豆」「金山寺味噌」「とじくり」「亥の子ぼたもち」「おひら」「五平もち」「鮎の甘露煮」、平野部の南区、浜北区は「玉葱のおかか和え」「落花生の煮物」であった。市では、これらの結果を食育ボランティアが共有し、市の食文化の伝承を行っている。市の郷土料理・伝統食・行事食は、地域の生産物を利用している料理が多かった。また、隣接した県の郷土料理や伝統食と似た料理もあり、食文化の交流があったと考えられる。

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