日本調理科学会大会研究発表要旨集
平成23年度日本調理科学会大会
セッションID: D1p-23
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ポスター発表
食品ロスに関する年代別調査
*小出 あつみ山内 知子山本 淳子間宮 貴代子松本 貴志子
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抄録
【目的】 日本では,食品ロスが500~900万t/年あると推計されている.本研究では,年代別に食生活状況及び食品ロスに関する意識調査を行い,年代間の相違と食品ロス減少の要因について検討した.
【方法】 調査は自記式アンケート用紙により実施した.パネルは青年133名(19.5±0.60歳),壮年33名(49.1±6.44歳),高齢者20名(72.9±6.20歳)で,質問内容は属性に関する3問,食生活状況に関する4問,調理に関する3問,食品ロスに関する10問である.
【結果】食生活状況では,壮年と高齢者に欠食がないのに対し,青年では40%が主に朝食で欠食していた.嫌いな食品数では,高齢者が青年と壮年より少ない傾向を示し,食品ロスの意味を知っているかでは,青年(33%)と壮年(45%)に対して高齢者(85%)が高い値を示した.賞味期限切れ食品を食べるかでは,青年が44%,壮年が70%,高齢者が55%であり,食品ロスの経験があるかでは,青年が68%,壮年が94%,高齢者が60%で,どちらも壮年で高い値を示した.食品ロスの理由では,青年と壮年では賞味期限切れが最も高く,高齢者では作りすぎと存在忘れが多かった.消味期限切れ食品を食べる人では,壮年(70%)と高齢者(55%)が高い値を示し,食べる判断では,高齢者が多面的に判断していることが伺えた. 以上の結果より,各年代ともに食品ロスが多い現状が示され,その要因として,青年と壮年では賞味期限切れが,高齢者では作り過ぎの影響が大であった.また,食品の品質を判断できる知識と技術の修得は,食品ロスの減少に有効であると推察された.
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© 2011日本調理科学会
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