日本調理科学会大会研究発表要旨集
平成23年度日本調理科学会大会
セッションID: A1p-20
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ポスター発表
和菓子用米粉の調理特性
高橋 節子*近堂 知子平尾 和子
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抄録

【目的】和菓子は素材の種類や添加物、調製法により物性が大きく異なることが知られている。薄く伸して成形するういろう生地の場合は材料を蒸した後、熱いうちに混捏することによりこしのある生地が得られ、ねりきりはあんにぎゅうひを混合することで成形性を増すことが知られている。本研究では生米粉およびα化米粉の性質を比較し、さらにねりきり、ういろう生地の調製法が物性に及ぼす影響について検討した。
【方法】試料とした生米粉はうるち米の上新粉・上用粉、もち米の白玉粉・もち粉の 4種、α化もち米粉の寒梅粉・上南粉・新引粉の3種の計7種((株)富澤商店)を用いた。ショ糖20および30%添加の影響と併せ、粘度はラピッドビスコアナライザー(試料濃度12.3%)により求めた。物性は米粉糊液を調製直後、1・3・5・7日間5℃で保存後、テンシプレッサーにより測定した。ういろう生地の物性はクリープメーターにより求め、ぎゅうひ、あん、ねりきり生地はテンシプレッサーにより測定した。
【結果】1)上新粉と上用粉、白玉粉ともち粉は各々近似の粘度曲線を示し、ショ糖の添加による粘度の上昇は、上新粉・上用粉の冷却時粘度で顕著であった。α化米粉の上南粉と新引粉は近似の粘度を示し、寒梅粉はこれらの1/2以下と低い粘度であった。2)白玉粉の糊液は上新粉の1/2の硬さであり、上南粉は白玉粉に近似の物性を示したのに対し、寒梅粉・新引粉は軟らかい糊液であった。3)ういろう生地の場合、熱いうちに調製した生地は冷めてから混捏したものに比べて破断応力、破断エネルギーが大であった。4)ねりきりの場合、あんにぎゅうひを加えることにより硬さ、付着性、粘さおよび凝集性が増加した。

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