日本調理科学会大会研究発表要旨集
平成23年度日本調理科学会大会
セッションID: A2a-8
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ポスター発表
近畿における貝類の利用状況調査
藤井 菜津子*橋本 多美子遠藤 千鶴
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キーワード: , 調査, 調理法
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抄録

目的】貝類は古くからたんぱく源として日本の食生活に重要な役割を果たしてきた。また、貝類にはタウリン・旨味成分・ミネラルなどの有用成分も豊富に含まれている。しかし、貝の消費量は魚類に比べて低く、貝類の利用実態に関するデータも少ない。そこで、近畿地方における貝類の利用状況を明らかにすることを目的にアンケートを実施した。
方法】調査期間は2010年7月~11月で、近畿の家庭の調理担当者を対象に、質問紙による自己記入式にて調査を行った。調査内容は居住地域や年齢などの属性、貝類の摂取頻度、嗜好、調理法などである。有効回答数は253部、回収率32.1_%_であった。回答を単純集計し、統計処理にはSPSSを用い、一元配置分散分析を行った。
結果】家庭における主な調理担当者は40~50歳代が74_%_と多く、その大半が女性であった。摂取頻度は月2回程度~月1回程度が半数(51_%_)を占めた。頻度が少ないと思っている者の割合は73_%_と多く、その理由としては「価格に左右される」29_%_、「調理の手間がかかる」28_%_、「調理法がわからない」15_%_などが挙げられた。年齢と摂取頻度については、年齢が高い者ほど摂取頻度は多い傾向にあった。貝類の調理の手間については、40_%_の者が「手間がかかると思う」と答え、手間だと思う一番の理由は「砂出し」59_%_であった。好まれる貝の種類は、あさり・しじみ・はまぐり・かき・ほたてであり、調理に用いられる頻度も多かった。調理法をみると、あさり・しじみ・はまぐりは汁物に、かきはフライに、ほたては生食での調理法が多く用いられていた。貝類の使用頻度は調理の手間が関係しており、価格面で手に入れにくいと感じていることがわかった。

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