日本調理科学会大会研究発表要旨集
平成25年度(一社)日本調理科学会大会
セッションID: 1A-a1
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口頭発表
リーフ緑茶飲用に対する消費者の認識
生活の質を高める緑茶の活用を目指して
*松山 洸一
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キーワード: 緑茶, 認識, 生活の質, 因子分析
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抄録

【目的】近年、市販緑茶飲料の普及によって、緑茶の飲用形態は多様化してきた。それに伴い、急須で淹れる緑茶(リーフ緑茶)用茶葉の消費量は20年間で約40%も減少した。リーフ緑茶の飲用は、古くからの日本人の習慣であり、のどの乾きを潤す目的以外に、情緒の安定など精神への効用が期待される側面をもつ。本研究ではリーフ緑茶の活用による生活の質の向上を目指している。そのための基礎的情報として、今日の日本人のリーフ緑茶飲用に対する認識を調査し、飲用する際の空間設計に関わる知見を得ることを目的とした。
【方法】関東地方の一般家庭の住民を対象に質問紙調査を行った。質問内容はリーフ緑茶を飲む際に「意識すること」26項目、及び「感じること」28項目であり、各項目について5段階評価を求めた。各質問内容においてPromax回転を伴う因子分析を実施した。
【結果】リーフ緑茶を飲む際に「意識すること」においては、緑茶そのものの個性を表す「緑茶特性」因子、気分が心地よい状態になる「気分の肯定的変化」因子、飲用時の周囲の諸要素である「喫茶環境」因子の3因子が抽出された。また、「感じること」では感情の落ち着きを表す「精神の安定」因子、日常生活における緑茶の文化を感じることである「緑茶の文化」因子、精神面を中心とした心身の活性化を示す「意欲の向上」因子の3因子が抽出された。現代の日本人はリーフ緑茶を飲む際に、緑茶の品質が直接関与する「緑茶特性」以外に、喫茶時の環境や文化、精神面に関わる肯定的な因子を意識したり、感じたりしていることが確かめられた。緑茶飲用空間を設計する上で、考慮すべき知見が得られた。

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