日本調理科学会大会研究発表要旨集
平成25年度(一社)日本調理科学会大会
セッションID: 1P-25
会議情報

ポスター発表(1日目)
学生の「障害者の料理」に対するイメージ変化
調理経験と体験実習前後のイメージの関係
*中村 眞理子後藤 葉子
著者情報
キーワード: 調理, 障害者, 経験
会議録・要旨集 フリー

詳細
抄録
【はじめに】障害者の家庭内役割の必要性についての報告は様々な分野で散見され,「調理・料理」は女性の日常生活に大きな時間を占めるとされる.障害者がおこなう調理活動の安全な実施に向け,作業療法では調理動作の分析や問題点を明確にし,工程や道具の工夫を行う.本学では,学生が模擬患者として料理を経験する実習を実施しているが,近年,学生の調理経験(週平均日数)の減少が顕著である.本研究では,学生の調理経験の違いによる実習前後の「障害者の料理」のイメージの違いを検討した.
【対象】事前に本研究の趣旨を説明し,同意を得た,直近4年間で最も週あたりの料理頻度が高かった年度の本学3年生21名(男性6名,女性15名,平均年齢21.1±1.7歳,平均料理頻度週5日;以下,高頻度学生群)および,最も低かった年度の本学3年生(男性6名,女性14名,平均年齢21.1±3.5歳,平均料理頻度週2日;以下,低頻度学生群).尚、両群とも料理頻度に男女差は認められなかった.
【方法】障害者を想定した非利き手のみの調理実習実施の前後に,「障害者の料理のイメージ」について反対の意味を持つ形容詞のペアからなるSemantic Differential法を用い調査を行った.
【結果と考察】項目により若干違いがあるものの肯定的イメージが強い順に実習後の低頻度学生群,実習後の高頻度学生群,演習前の低頻度学生群,実習前の高頻度学生群であった.低頻度学生群の実習後の変化率は高頻度群に比較して大きく,自らの演習による経験が工程や道具の工夫などの新しい発想の素地となっているとも考えられた。また,両群の学生で実習後に肯定的イメージが強くなっていることから、学生を取り巻く生活環境や生活技術を考慮し,実習内容の検討が必要と考えられる。
著者関連情報
© 2013 日本調理科学会
前の記事 次の記事
feedback
Top