抄録
【目的】生活習慣病予防の観点から減塩が重要視されており、食嗜好を考慮した減塩が必要とされている。そこで、食塩摂取に関連する食品摂取や食嗜好を明らかにすることを目的として研究を行った。今回、若い女性の食塩摂取の特徴を探るため、女子学生を対象に塩分摂取とその嗜好に関する調査を行った。【方法】家庭料理の塩分濃度分析は、1)家庭のみそ汁の塩分濃度 2)その他、自分が調べてみたい料理、食品の塩分について調査した。塩分濃度の分析は、東亜ディーケーケー株式会社製SAT500型を用いた。汁物の官能検査は、みそ汁、コンソメスープについて、濃度の違いによる感じ方(薄い・濃い)と、好み(好ましい・好ましくない)を調べた。【結果】みそ汁の塩分濃度の平均値は、0.84%で標準的な範囲であり、1.2%以上の高濃度のみそ汁はなかった。身近な食品や料理の中で、塩分濃度を調査したいものに挙げられたのは、洋風の料理・加工食品が多かった。高塩分の食品や料理については、和風のものを好んで食べる人は少なく、ケチャップ、マヨネーズなどの調味料、加工調味ソース等の塩分に注目する必要性が示唆された。官能検査では、みそ汁は、0.7%のうす味のものを好む人が8割を超えた。一方、コンソメスープは、0.9%の濃度のものを好む人が6割、1.0%が2割であった。