日本調理科学会大会研究発表要旨集
平成25年度(一社)日本調理科学会大会
セッションID: 2P-35
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ポスター発表2日目
にんじんピューレの粒度の違いによるケーキの物性
*中井 奈美貴本田 沙季山口 奈緒美沢村 信一小林 三智子
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抄録
【目的】現在、市場に出回っている野菜ジュースの中では、栄養価の高いにんじんを主体としているものが多い。にんじんは一年中市場に出回っており、入手しやすいため、加工食品として使用しやすい。また、ピューレにすることで粒度の違いによる差をみることができる。本研究では粒度の異なるにんじんピューレを用いて調製したスポンジケーキの物性について測定を行った。あわせて、スポンジケーキに添加するのに好ましい粒度を求めることを目的とした。
【方法】スポンジケーキは全材料に対して28.1%のピューレを添加し、得られた試料について機器測定を行った。機器測定はレオメーターRE33005(山電)を使用し、破断特性値およびテクスチャー特性値を求めた。ピューレは、14・90・250 µmの3段階の粒度のものを使用した。
【結果】破断特性において、硬さを示す破断応力は250 µmが最も値が高くなることが認められた。一方、弾力性を示す破断ひずみは14 µmが最も高くなることが認められた。このことから、粒度の大きいピューレを添加することにより硬くもろくなるのだと考えられた。テクスチャーにおいて、内部結合の指標である凝集性は250aµmが最も値が低くなることが認められた。粒度の大きいピューレを添加することによりスポンジ状組織が阻害され、内部結合力が弱まったと考えられる。以上より、スポンジケーキに添加するのに好ましいピューレの粒度は14 µmであると考えられた。
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© 2013 日本調理科学会
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