日本調理科学会大会研究発表要旨集
平成25年度(一社)日本調理科学会大会
セッションID: 2P-45
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ポスター発表2日目
米粉および雑穀粉を利用した5種類の調理加工品の官能評価
*井部 奈生子大坪 俊輔肥後 温子
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抄録

【目的】小麦粉の代替素材として米粉・雑穀粉(全粒粉を含む)を有効活用する方法を模索する課題に取り組み、約6年間の実験期間中に、すいとん、クレープ、パンケーキ(焼き、蒸し)、クッキーの5種類の調理加工品を作成し官能評価を行ってきた。そこで、今まで行った各穀粉の官能評価結果を整理することにより、嗜好性を満足させる調理加工品を作る上での問題点を明らかにしようとした。
【方法】1)薄力全粒粉、ライ麦粉、日本米粉、玄米粉、赤米粉、そば粉、あわ粉、ひえ粉の各試料粉体30~100%に薄力小麦粉を加えた穀粉に、水または副材料(牛乳、卵、砂糖、バターまたはショートニング)を加え、すいとん(ゆで加熱、製品水分約80%)、クレープ(焼き加熱、製品水分約80%)、パンケーキ(熱風加熱、製品水分約50%)、パンケーキ(スチーム加熱、製品水分約57%)、クッキー(オーブン加熱、製品水分約7%)を作成し、2)男女学生n=16~206をパネルとし、硬さ、もちもち感、口どけ、色調、総合的な嗜好について官能評価を行った。
【結果・考察】1) 5種類の調理加工品とも、総合的な嗜好に最も大きく影響する項目は味・あと味であり、2) クッキー、パンケーキ、クレープ、すいとんの順に穀粉間の味・あと味に対する評価の差が大となり、3)ひえ、はと麦、赤米の味・あと味が悪いと評価された。4)柔らかさ(硬さ)、もちもち感などの食感に対する評価の差は、パンケーキ(スチーム加熱)で最大となり、5)赤米、日本米、あわは柔らかくもちもちしていると評価されたが、6) クッキーでは粘弾性が強いこれらの穀粉が最も硬いと評価された。7)粉の焙焼がクッキーの食感を改善し、オレンジピールなどの食材の混合が味・あと味を改善したので紹介する。

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