抄録
団子モデル米澱粉ゲルのレオロジー特性に及ぼすヨモギ添加の影響
○佐藤恵美子1),筒井和美2) 1)新潟県立大,2)愛知教育大
「目的」ウルチ米澱粉とモチ米澱粉を用いた米澱粉ゲルを調製し、団子モデル系米澱粉ゲルのレオロジー特性に及ぼすヨモギ添加量の影響について検討した。「方法」静的粘弾性測定を行い、弾性率の逆数であるコンプライアンス値の5日間の経時変化、およびテクスチャー測定を行い、さらにSD法と順位法による官能検査を行なった。「結果」クリープ測定では、全ての試料が6要素モデルとして解析可能であった。①ウルチ70g(以下「米澱粉」を略)、②ウルチ60g+モチ10g、③ウルチ50g+モチ20gの配合割合のいずれの米澱粉ゲルにおいてもヨモギ添加量が多い程E0は高い値を示し、ηNは低い値を示した。また、もち米澱粉の配合割合が多くなるほどE0及びηNの値は小さくなった。コンプライアンス値は全ての試料において貯蔵日数の増加に伴って低下して硬くなり、老化傾向が示唆された。テクスチャー測定の結果から、①ウルチ70g、②ウルチ60g+モチ10g、③ウルチ50g+モチ20gの全ての試料において、貯蔵日数の増加に伴って硬さは増大し、付着性は低下した。モチ米澱粉の量が増加するほど軟らかい傾向がみられたが、3種試料間において有意差は認められず、ヨモギ添加量が増加する程充填剤効果により硬くなった。付着性はモチ米澱粉が多くなる程増加し、貯蔵日数の増加に伴って試料間の差は小さくなり、ヨモギ添加量の増加と共に低下した。官能検査の結果から、モチ米澱粉混合試料は軟らかく粘りがあり、歯切れがよくないと評価されたが、全ての試料はヨモギ添加により硬さや歯切れ、弾力性は高くなるが、ヨモギ添加量が多くなる程なめらかさや舌触りの評価は低く、ざらつき感があると評価された。