日本調理科学会大会研究発表要旨集
平成25年度(一社)日本調理科学会大会
セッションID: 2C-p1
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口頭発表
セルロースおよびセルロース誘導体添加パンの品質
*西原 百合枝南 道子新垣 有紀川原 志織柴田 有理江頭 和佳子朝倉 富子舟木 淳子
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抄録
【目的】日本人の食物繊維摂取量は現在不十分であるとされている。われわれは、生活習慣病予防の効果が期待される食物繊維を、一日の食事量を変えることなく十分に摂取できるようなパンの開発を試みている。本研究では、パンに微結晶セルロースとセルロース誘導体であるヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)を同時に添加することを試みた。
【方法】パンは直捏法により、リーンな配合(リーン)とリッチな配合(リッチ)の2種類を作製した。食物繊維は微結晶セルロース1種(セオラスFD-101、旭化成ケミカルズ株式会社)、HPMC2種(メトローズSE-50、メトローズSFE-4000、信越化学工業株式会社)を使用し、食物繊維添加パンは強力粉重量の20%を食物繊維(微結晶セルロース:HPMC=1:1)に置き換えた。それぞれパンは水の添加量を変えて数種作製した。これらのパンについて、比容積の測定やクラストの色の測定(Lab表色系)などを行い、品質を評価した。
【結果】食物繊維の種類ごとに水の添加量を変えて作製したパンの中から、比容積が最大となったものを1つずつ選び、品質を比較した。リーンでは、微結晶セルロース・メトローズSE-50添加パンの比容積は食物繊維無添加パンより有意に小さく(p<0.01)、微結晶セルロース・メトローズSFE-4000添加パンは食物繊維無添加パンと有意差がなかった。リッチでは、微結晶セルロース・HPMC添加パンの比容積はいずれも食物繊維無添加パンより有意に小さかった(p<0.01)。クラストの色については、リーンの微結晶セルロース・メトローズSE-50添加パンのみ、明度を示すLが食物繊維無添加パンと有意差がなかった。
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© 2013 日本調理科学会
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