日本調理科学会大会研究発表要旨集
平成25年度(一社)日本調理科学会大会
セッションID: 1P-3
会議情報

ポスター発表(1日目)
アフタースクールで活かす調理体験の可能性
*宮部 和男駒田 聡子
著者情報
会議録・要旨集 フリー

詳細
抄録

【目的】児童が将来にわたる食を営む力を身につけるためには、継続した食体験の積み重ねが重要である。中でも調理体験は「自分で作ったものを食べることができる」楽しさと達成感があるため、積極的に食にかかわる姿勢を育てると考えられる。そこで今回、児童が調理体験を積み重ねる場としてアフタースクールを利用し、特に献立作成を工夫することで、限られた時間内での調理体験の可能性を探った。【方法】1)実践:平成24年11月から25年3月まで、週4回実施。放課後の約70分間で、児童が「準備・調理・試食・片付け」を行う。参加者は、全学年の希望児童。2)献立作成:大学教員が試作調製して作成。時間内に作ることを前提にし、身近な食材を使う、素材から作ることも重視した。2)評価:評価は、実践中の児童のエピソードを中心にした。【結果】1)時間短縮のためみじん切りが入る料理(ハンバーグ・ミートソース・炒飯など)は、フードプロセッッサーを用いた結果、時間短縮だけではなく、他に一品作ることが可能となり体験の幅が広がった。さらに機械に対する興味から、児童の調理への関心を高めることができた。2) 本来は下準備も含め調理時間がかかる料理も(唐揚げ・ルーを使わないカレー・豚汁など)、だしと旨味を活かす(煮干し・かつぶし・昆布・椎茸・鮭・溜まり醤油など)、本物調味料を使う(本みりん・日本酒・バターなど)ことにより風味・味ともよく仕上がり、「家よりもおいしい」「家でも作った」との評価が得られた。その他にも調理科学的視点を活かした工夫をした結果、児童でも限られた時間内で終了することができた。この結果から、献立の工夫により、アフタースクールで調理体験が積み重なっていく可能性が示唆できた。

著者関連情報
© 2013 日本調理科学会
前の記事 次の記事
feedback
Top