日本調理科学会大会研究発表要旨集
平成26年度(一社)日本調理科学会大会
セッションID: 1C-a1
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口頭ー発表
ごはんパンの化学成分について
土川 瀬莉奈翠川 美穂林 徹*奥西 智哉
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キーワード: ごはんパン, 化学成分,
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抄録

【目的】米は、古くから日本人の主食として馴染みがあり、ごはんとして食べることは日常である。パンの材料のうち、小麦粉の一部をごはんに置き換えた「ごはんパン」は、ふくらみが良く、甘みがあり、しっとり・もちもちしているパンであることが知られている(奥西、食科工、2009)。柔らかく粘る、いわゆる良食味米の米飯がごはんパンに適した米品種であることも明らかにしている(Iwashita et al.、FSTR、2011)。 【方法】平成25年茨城県産コシヒカリ(精米歩合90.6~90.7%)を用い1.5倍加水炊飯した米飯を用い、ホームベーカリーにて山型食パンを作成した。パンの基本配合のうち小麦粉の一部を炊飯米で5~40%置換したパンを5~40%ごはんパンとした。得られたパンを1時間冷却したのち比容積を測定した。水分はハロゲン水分計により測定した。パン硬さはテンシプレッサーによる円筒プランジャー25%貫入時の反発応力とした。パンクラムを約1gを25mLの水に分散して得られた抽出液を用いてFキットによるグルコース、フルクトース、マルトースおよびスクロースの含量を測定した。 【結果】ごはんパンは15-20%付近で膨らみの最大値をもっていた。焼成1日後のパン硬さはこの割合付近で小さい値をとった。焼成3日後では10%以上のごはん率のものは比較的軟らかさを維持していた。水分はごはん率の増加とともに減少する傾向にあった。ごはん率の増加に伴いマルトース含量が増加傾向にあるので、水分蒸発が抑えられた結果、見かけの水分率が減少したと推察される。既報におけるごはん率としっとり感の関係もマルトース含量がその要因であると考えられる。

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