日本調理科学会大会研究発表要旨集
平成26年度(一社)日本調理科学会大会
セッションID: 2P-16
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ポスター発表
「次世代に伝え継ぐ日本の家庭料理」
-島根県アンケート・聞き書き調査からみえたもの-
*石田(坂根) 千津恵藤江 未沙
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抄録

【目的】伝統的な郷土の家庭料理が次世代へ伝え継がれることを目指し、日本調理科学会の平成24~25年度特別研究の一環として、島根県における家庭料理の継承の現状把握と地域住民が伝え継ぎたいと考えている料理を調べることを目的にアンケート調査および聞き書き調査を行った。
【方法】「次世代に伝え継ぐ日本の家庭料理」島根県アンケートおよび聞き書き調査を実施した。調査期間は平成25年9月から平成26年1月であった。アンケートは島根県在住の一般男女20~80歳代の計90名を対象に自記式アンケート調査を行い、聞き書き調査は日本調理科学会のガイドラインに従い島根県で生まれ育ち、その地域で30年以上居住している40~80歳代の女性13名を対象に現地に赴き調査を行った。
【結果】アンケート調査より、「作ったことがある料理」としてしじみの味噌汁、赤貝を用いたのっぺ汁や赤貝ご飯の他に、ちまきや雑煮などの行事食が上位10品に挙がった。ちまきは端午の節句に作られる料理で、平成22年度の「年中行事食」の調査結果からも認知度が高いことが報告されており、実際に多くの人が作っていることが明らかとなった。しかし、雑煮や赤貝料理は60~70歳代では約8割が作ったことがあると回答した一方で、特に20歳代では約2割しか作った経験がなく20歳代と60~70歳代との回答結果には有意な差が認められた。聞き書き調査では、「昔は作っていた」と半数以上の人が回答した料理は、島根県西部5品(のべだんご、芋だんご、ぬり餅、こうせん、おまん寿司)、東部7品(クジラ汁、七草粥、松茸ご飯、こうせん、ゴズ・セイゴの干物、ふき餅)であった。

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