日本調理科学会大会研究発表要旨集
平成28年度大会(一社)日本調理科学会
セッションID: 1C-a2
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口頭発表
飲料の粘度とのどごしの関連性の検討
*岩崎 裕子大越 ひろ
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キーワード: のどごし, 粘度, 官能評価
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抄録

【目的】“のどごしが良い”という表現がビールや炭酸飲料には見受けられる。いずれも炭酸を含む飲料であり、炭酸を含まない飲料の“のどごし”について検討した報告は数少ない。また、ゼリー飲料をはじめ粘度が付いた飲みごたえを感じる飲料が近年開発されている。そこで、本研究では、炭酸を含んでいない飲料について、飲料の粘度と“のどごし”の関連性を検討した。
【方法】試料は基準飲料に対し、キサンタンガム系増粘剤を添加し、ずり速度50s-1における粘度が40、60、90mPa・sを示す3試料と、増粘剤を添加しない原液(1mPa・s)の併せて4試料について比較した。官能評価を行い、“のどごし”について、分析型評価(しっかり⇔すっきり)と嗜好型評価(良し⇔悪し)を行った。被験者の年齢による比較(若年群23名(平均26.1歳)と熟年群27名(平均56.7歳))を行い、更に基準飲料の味による比較(pH=3.8飲料とpH=2.5飲料)を若年群に対して行った。
【結果】分析型評価の結果、飲料の粘度が高いほど、しっかりしたのどごしと評価された。若年群は粘度が低い程すっきりとしたのどごしで、良いと評価したが、熟年群は粘度の有無は識別できるが、粘度間の識別をしにくく、嗜好型評価において好ましい粘度もばらつきが大きかった。酸味の強いpH=2.5飲料では、pH=3.8飲料と比較し、嗜好型評価において試料間の差がみられず、若年群でも粘度が付与されている飲料を好む人が増えた。粘度によりのどごしが変わることは明らかとなったが、その影響は年齢や飲料の味により異なるため、のどごしの良いとされる粘度については更なる検討が必要である。

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