日本調理科学会大会研究発表要旨集
平成28年度大会(一社)日本調理科学会
セッションID: 1P-48
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大学生にみる日常食の自炊感とクリスマス料理の手作り意識
*中村 恵子佐藤 まり子横山 阿由美
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抄録


大学生にみる日常食の自炊感とクリスマス料理の手作り意識

○中村恵子,佐藤まり子,横山阿由美

(福島大学)

 

【目的】総菜やインスタント食品などを利用し料理を用意することを「手作り」と考える風潮があるときく。そこで本研究では、レトルト食品などを利用した料理作りに対する大学生の自炊感を明らかにすることを目的とした。さらに、クリスマス料理づくりの実態とこれを食べる理由、将来のクリスマス料理の手作り意識について調査した。

【方法】2015年6月(調査①、②)及び10月(調査③)に質問紙調査を行った。対象は大学生(①142名、②137名、③55名)、質問項目は、料理作りの頻度、料理をする/しない理由、今後料理をしたいか/その理由等とした。また、日常食(スハ゜ケ゛ティミートソース、餃子など6料理)の作り方を、総菜の温め直しから材料を刻んで加熱するまでの4段階に区分し、どの作り方を「自炊」と考えるかを問いた。さらに、クリスマスの実施状況、クリスマス料理の喫食状況や準備の実態、将来の手作り意識等についても調査した。

【結果】「料理をする」と回答したものは約5割であったが、「料理をする」者の平日の夕食の手作り頻度は「週3回以上」が約6割、休日の朝食は「ほとんど作らない」が約4割と必ずしも高くはなかった。今後料理をしたいと回答する者は約9割であり、その理由は「料理技術の向上」「食費の節約」「将来のため」であった。日常食の「自炊感」については、「レンジで温めたりお湯を加える」だけでは「自炊」ではないが、「お湯を沸かしてレトルトを温める」では約2割、「麺をゆでたりフライパンで焼く」では6~8割が「自炊」であると判断した。行事食としてクリスマス料理にケーキを食べている者は約9割であるが、約8割が将来は子どもや家族と手作りしたいと希望している。そのうち約7割が買ってきたものであり学生自身は準備していない。大学生の料理作りに対する意識と実態との乖離は大きいと考えられる。
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