日本調理科学会大会研究発表要旨集
平成28年度大会(一社)日本調理科学会
セッションID: 2P-03
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ポスター発表
ふのりをつなぎとした米粉麺の抗酸化性および物性の評価
*山口 智子金子 桂子常谷 柚里江口 智美
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抄録
【目的】新潟県には魚沼地方を発祥とするつなぎにふのりを用いたそばがある。ふのりは紅藻類フノリ科フノリ属の海藻で、この地方では古くから織物の糊料として用いられてきたものであるが、そばに独特のコシの強さと歯ざわりの良さを与えている。演者らはこれまで米粉麺の研究を進めており、本研究ではふのりをつなぎとした米粉100%の米粉麺を調製し、その特性を明らかにすることを目的とした。
【方法】米粉は平成25年新潟県産コシヒカリCKタイプ(新潟製粉(株))を使用した。乾燥ふのり(ヤマナカフーズ(株))に蒸留水を加え、ステンレス鍋または銅鍋を用いて煮詰めたものを、米粉、蒸留水とともに自動製麺機HR2365/01(PHILIPS)にて1.6mm平麺に製麺した。ふのりおよび生麺の抗酸化性(DPPH比色法)、総ポリフェノール量(Folin-Ciocalteu法)および色調(L*, a*, b*値:日本電色工業(株)製色彩白色度計NW-11)を、ゆで麺については色調と物性(破断強度:(株)山電製RHEONERⅡクリープメーター RE2-3305C)の測定および官能評価を行った。
【結果】加熱に用いる鍋の材質によりふのりの色調が変化し、ステンレス鍋では赤紫色、銅鍋では緑色となった。また、その際のDPPHラジカル捕捉活性および総ポリフェノール量は、ステンレス鍋で加熱したふのりに比べて銅鍋で加熱したふのりで減少がみられた。生麺においても、銅鍋で加熱したふのりを添加した米粉麺のDPPHラジカル捕捉活性および総ポリフェノール量は低値を示したが、官能評価では好まれた。生麺およびゆで麺の物性を比較した場合にも相違がみられ、詳細については現在解析中である。
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