日本調理科学会大会研究発表要旨集
平成28年度大会(一社)日本調理科学会
セッションID: 2B-p2
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口頭発表
減塩醤油を用いた減塩調理への慣れの評価(第3報)
-継続使用期間による影響について-
*菊池 節子善方 美千子小幡 明雄藤本 健四郎
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キーワード: 減塩醤油, 慣れ, 継続使用
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抄録



減塩醤油を用いた減塩調理への慣れの評価(第3報)

-継続使用期間による影響について-

○菊池節子1,善方美千子1,小幡明雄2,藤本健四郎1

1郡山女子大,2キッコーマン(株))

 

【目的】食塩嗜好には慣れの現象がみられるとの報告があることから、我々は大学生およびケア・ハウス入居者において、濃口醤油の半分の食塩含量である減塩醤油を約1か月間継続使用することにより、低塩に対する慣れの現象がみられることを確認し、本学会で発表した1)。今回、継続使用期間による影響を検討するために、使用期間を短縮し2週間の減塩醤油の使用による塩味の慣れに関する検討を行った。

【方法】対象者はケア・ハウス入居者48名(平均83.3歳±7.1歳)で、以下の試験をお願いした。(1)官能評価(減塩生活前):①濃口醤油(食塩濃度約16.0%(W/V))、減塩醤油(食塩濃度約7.8%(W/V)、いずれもキッコーマン製)で「マグロ刺身」の嗜好試験。②前記2種の醤油で調理した「里芋含め煮」の濃度差識別試験ならびに嗜好試験。(2)減塩生活(14日間):調理に使用する醤油をすべて減塩醤油で生活。(3)官能評価(減塩生活後):(1)と同様の試験。(4)献立の醤油使用量計算。

【結果】(1)「マグロ刺身」嗜好試験において、減塩生活前では、減塩醤油につけた刺身と濃口醤油につけた刺身間に嗜好の差はなかったが、減塩生活後では、減塩醤油につけた方が有意に好まれた(p<0.01)。(2)調理品である「里芋含め煮」では、減塩生活前後の嗜好に有意な差はみられなかった。(3)施設の給食における1日あたりの平均醤油使用量は、減塩生活前は濃口醤油11.0g、淡口醤油3.0g、減塩生活中は減塩醤油14.3gであった。醤油を減塩醤油に置き換えて調理した結果、醤油からの食塩摂取量は、減塩生活前に比べ1.0g/日減少した。これらの結果から、減塩生活を2週間に短縮しても、低塩に対する慣れと、実質的な減塩につながることが示唆された。1)日本調理科学会平成26年度、27年度大会

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