日本調理科学会大会研究発表要旨集
平成28年度大会(一社)日本調理科学会
セッションID: 1P-05
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ポスター発表
増粘剤を添加した全粒粉パンの物性
*石井 和美新井 桃子門井 茉莉子桑野 奈々吉田 菊乃小林 三智子
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キーワード: パン, 全粒粉, 増粘多糖類
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抄録



【目的】
強力小麦粉は 内胚乳部をひいて作成するが、取り除かれる胚芽やふすま部分には現代人に不足しがちな食物繊維やミネラルが豊富に含まれている。強力粉で調製したパンと比較して栄養価は高いが、食物繊維の影響を受けてふくらみが悪くなることが知られている。そこで本研究は、改良剤として増粘多糖類を使用し、パンの物性に与える影響を検討した。
【方法】
製パンには全粒粉、無塩バター、グラニュー糖、食塩、ドライイースト、蒸留水、増粘多糖類を使用し全粒粉100%のパンをコントロールとした。増粘多糖類はヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)2種を使用し、メチルセルロース(MC)1種を用い、全粒粉の粉重量に対して1%、2%、3%を添加した。得られた試料については、菜種法を用いて、比容積を求めた。機器測定では、内相を切り出してクリープメーター(レオメーターRE-3305S(株)山電)を使用しテクスチャー特性値を求めた。
【結果】
HPMC(メトローズSFE-4000信越化学工業(株))を1%添加するとコントロールと比較して比容積は増加した。しかし添加量が増すと比容積は減少する傾向を示した。内相のかたさは添加量の増加に伴って増加した。
一方、MC(メトローズMCE-4000)を1%添加すると体積は減少し、内相のかたさは増加した。凝集性はHPMCを添加したパンより低い値となり、かたく、もろい傾向が見られた。

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