日本調理科学会大会研究発表要旨集
平成28年度大会(一社)日本調理科学会
セッションID: 1P-14
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ポスター発表
パンの製品特性・嗜好性に及ぼすおから粉末サイズの影響
*工藤 貴子栗﨑 純一名倉 秀子曽矢 麻理子浅房 なつみ稲垣 舞
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キーワード: おから粉末, 物性, 官能評価
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抄録

【目的】おからには100 gあたり11.5 g食物繊維が含まれており,それを有効利用するため,これまで,おから粉末の添加量や調製条件の検討により,食物繊維が豊富で嗜好性の良いおから添加パンを開発した。本研究では添加するおから粉末サイズがパンの製品特性や嗜好性に与える影響を明らかにするため,分級した2種と分級しないおから粉末を利用しておから添加パンを調製し,分級によるおから添加パンへの作用を検討した。     
【方法】試料としたおからは,凍結乾燥して粉砕機にかけ,ふるいで分級した。100~200μm,300~400μm,分級していないZMの3種類のおから粉末を用いた。おから粉末は強力粉に対して10%置換添加した。おから添加パンの製品特性を得るため,色調,比容積,テクスチャー特性を測定し,嗜好性では官能評価による7段階の評点評価法を用いた。なお,対照として無添加パンも調製し,おから添加パンとの比較も行なった。
【結果】色差について,各おから添加パンは無添加パンと「大いに」差が認められたが,おから粉末サイズの違いによる差はなかった。各おから添加パンの比容積は,無添加より有意に値が低く,膨らみ具合が小さくなった。かたさでは、各おから添加パンも無添加より有意に硬くなった。凝集性では,各おから添加パンは無添加より有意に値が低くなり,弾力性が失われる傾向を示した。テクスチャー特性ではおから粉末サイズによる差はなかった。官能評価では,各項目ともおから粉末のサイズによる差はなく,各おから添加パンも総合は好ましいとの評価を得た。パンの製品特性および嗜好性におから粉末サイズの影響はなかった。これらの結果より,おから粉末を分級しなくても,良好なおから添加パンを調製できることが示唆された。

 

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