日本調理科学会大会研究発表要旨集
2019年度大会(一社)日本調理科学
セッションID: 1P-35
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ポスター発表
地産地消推進活動 島根県産食材を用いたワンプレートメニューの検討
*藤江 未沙池野 潤永瀬 敬顕福岡 未菜古川 小夏上田 恭己
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抄録

【目的】島根県が取り組む2016年地産地消推進事業事務事業評価シートによると県産品を優先的に購入する意識が強くある県民の割合が20.6%ととても低い結果となっている。この原因として,「直売所が少ない」「品揃えが悪い」という意見が49.5%,「情報発信がされていない」という意見が32%であるという点が挙げられた。そこで,今後地産地消活動の担い手となる当校栄養士科学生ができる身近な活動として,供給の多い県産品を使用した料理のレシピを検討することとした。また,レシピを広めることで,県産品の購買意欲を向上させ地産地消活動を活性化させることを目的とする。

【方法】(1)市場調査や当校学生を対象とした特産品の認知度調査を行う。(2)使用県産品選定。(3)レシピ検討・試作・改善。(4)作りやすさを確認するため学生による調理実施。(5)レシピと食材紹介を合わせたパンフレット作成・配布・アンケート調査実施。

【結果および考察】(1)島根県の特産品は約30品目あり,認知度が40%以下の食品が多数あった。また,県内のスーパーマーケット等には安価な県外産品の方が多い傾向にあった。(2)認知度が低く家庭での利用頻度が少ない食材を選定した。(3)食品そのものの流通量が少ない食材や,収穫時期の問題等で入手困難となる食材が出た為,使用食材変更も検討した。(4)説明不足の点がいくつか指摘された為,改善してパンフレット用のレシピを完成させた。(5)配布者へのアンケート調査から,ほぼ全員において家庭での調理意欲向上と県産品購入意欲の向上がうかがえた。これらのことから,提案したメニュー及びレシピ,県産品の説明を記載したパンフレットが地産地消推進活動の活性化に有効であることが考えられる。

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