日本調理科学会大会研究発表要旨集
2019年度大会(一社)日本調理科学
セッションID: 2P-60
会議情報

ポスター発表
徳島県内を流通するエビの細菌汚染状況と学術的分類
*岡崎 貴世中津 桃子篠宮 幸子
著者情報
キーワード: エビ, 細菌汚染, 学術的分類
会議録・要旨集 フリー

詳細
抄録

【目的】近年,日本食ブームや健康志向から世界的に魚介類の需要が増し,東南アジアを中心に魚介類,特にエビの養殖産業が発達している。日本国内で流通するエビの90%が海外で養殖された輸入品であるため,輸送距離や時間,温度管理の不徹底等によって食の安全を脅かす問題が発生しやすいと考えられる。そこで市販エビの細菌汚染状況を調査した。また,流通エビの商品表示名と学術的分類が一致しているか調べた。

【方法】エビ及び魚介類加工品は,徳島県内のスーパー等で購入し,冷凍品は冷蔵庫内で24時間解凍を行った後,検査に供した。一般生菌,大腸菌群,腸炎ビブリオ等の測定には,標準寒天培地,XM-G寒天培地,TCBS寒天培地を用いた。またエビを部位別(腹肢,胴体(殻,実),第6節(殻,実),尾,頭,みそ(肝膵臓))に解体し,一般生菌の検査を行った。

【結果および考察】試料のエビは商品により汚染度が異なり,生食用の有頭エビは細菌汚染度が低く,殻がカットされたエビは,初期腐敗と判定されるほどの菌数が検出された。これはカット作業に時間を要し,低温管理が困難だったことが理由の一つと推測された。細菌汚染状況を部位別で見ると,腹肢,胴体(殻),第6節(殻),尾は検出菌数が多く,殻や頭,尾など外部に晒されている部位は細菌汚染を受けやすいことが分かった。エビは殻や肢,頭を取って調理をすることが一般的である為,処理前にエビをよく洗浄し,調理後は手洗いが必須と考えられた。市販エビの学術的分類を行ったところ,多くのエビは商品表示名と分類が一致していた。しかし小エビに関しては,1パックに複数種類のエビが混ざっていることが確認された。

著者関連情報
© 2019 日本調理科学会
前の記事 次の記事
feedback
Top