日本調理科学会大会研究発表要旨集
2021年度大会(一社)日本調理科学会
セッションID: P-99
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ポスター発表
盛り付け技術向上のための調理特訓の有用性
*上田 洋子加藤 美穂
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抄録

【目的】栄養士養成校の学生にとって調理技術の習得は必須である。病院や施設等でより良いサービスを行うためには、限られた人数と時間の中で正確に美しく盛り付けることは重要な技術である。今回、継続的な訓練によって、どの程度の技術が身につくのか、また1ヶ月後に訓練効果は維持されているのかについて検討を行った。

【方法】対象者は本学、食物栄養学科栄養士専攻2年生女性6名であった。測定器はSartorius TE15025を使用した。測定には使用頻度の高い食材であるキャベツを使用した。盛り付け特訓・目利き特訓ともに容器は、丸皿、サラダボール、四角皿の3種類を使用し、測定重量は30g・60gの2種類を条件とした。練習後期の測定は1日目、5日目、1ヶ月後の3回行った。

【結果・考察】盛り付け特訓キャベツ30gは、規定量を下回る傾向を示したが訓練回数を重ねていくうえで規定量に近づく傾向を示した。5日目と1ヶ月後の結果は、誤差は少ないが一定した傾向は見られなかった。60gの誤差範囲は5%以内であったが少ない傾向を示した。目利き訓練は複数回答とし基準量との差についてχ2検定を行った。丸皿60gに有意差は認められなかった。本研究では、全体を通して盛り付け訓練の成果は効果的に得られなかったが、訓練回数を重ねるごとに個人差の広がりもみられた。よって早い段階での個人の盛り付け傾向について検討を行い、また技術面だけではなく、喫食者や摂取量の意義を念頭に置き訓練することも必要ではないかと考える。今後は対象者を増やし、個人の性格特性や測定前の体調などが及ぼす影響を検討する。

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