日本調理科学会大会研究発表要旨集
2021年度大会(一社)日本調理科学会
セッションID: 2A-13
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口頭発表
メタボロミクス技術(GC×GC-TOFMS)を用いたの植物性ミルクのにおいの網羅的分析
−食品のにおいのメタボロミクス分析−
*前田 竜郎田中 理祥吉川 凜藤谷 篤志山本 万里
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抄録

【目的】 食品中に含まれているにおい成分や呈味成分を網羅的に分析し、食品の美味しさ品質や製造工程で生成する生成物などを調べる客観的な評価手法としてメタボロミクス技術が活用されている。植物性ミルクは栄養面では牛乳に比べ、低カロリー・低脂肪で、カルシウム・ビタミンが豊富である。また、穀物に豊富に含まれる食物繊維は、肥満や糖尿病や心臓病になるリスクを低下させることが報告されている(2003 FAO/WHO)。しかし、植物性ミルクのにおい(香り)に関する品質特性の解明は十分でない。本研究の目的は、植物に含まれているにおいを網羅的に分析し、植物性ミルクのにおいのプロファイルを解明することである。

【方法】分析試料は代表的な穀物・疑似穀物由来ミルク、市販されている植物ミルクを対象とした。穀物・疑似穀物は水浸漬、ミキサー粉砕後ろ過し、ガラスバイアルに密封した。においの捕獲は、Gerstel MPS robotic pro(Gerstel,独)により、SPMEファイバー(DVB/CAR/PDMS)、DHSを用いた。においの分析は、Pegasus BT-4D GC×GC-TOF分析(LECO,米国)に供した。第1次元はInertCap Pure-WAX、第2次元はInertCap 5MSを用いた。得られたクロマトグラムからChromaTOFソフトウエア(LECO,米国)の自動解析機能によるデコンボリューションによるピーク検出、NISTおよびWileyによるライブラリー検索を行った。

【結果・考察】 GC×GC-TOFによる網羅的分析法と多変量解析を組み合わせた手法により、植物性ミルクに含まれている多種多様なにおいを包括的に分析し、植物性ミルクのにおいプロファイルを明らかにした。

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